「所得」「収入」の用語を使い分けることって大切【税金シリーズ①】

「所得」「収入」の用語を使い分けておくことって、大切ですよね。

ボクが「サラリーマン」(給与所得者)だったころは、「給料の手取り額」への関心が強かったので、「所得」「収入」といった用語を意識的に使い分けていることはあまりありませんでした。

ただ、「社会保障」「社会保険」の勉強をしていると、「むむ、これはちゃんと整理したほうがよいな」と気づきました。「社会保障」「社会保険」の本などを読むと、「『所得』『収入』の使い分けはあたりまえ」のようになっているので、今回のブログでは、「そもそも」というところから、書き留めていこうと思います。

所得税法に「所得」という言葉が登場する

そもそも「所得」という言葉は「所得税法」で登場します。条文上は「所得」は「所得金額」となり、「収入」は「収入金額」となります。

その「所得」というのは、「収入金額」から「経費(費用)・基礎控除」を差し引いた額のこといいます。その額のことを「所得金額」といいます。

所得税法の条文を見れば、「収入」と「所得」の区別がよくわかります。条文は読みずらいのですが、ネット上で「収入」「所得」を調べるよりは、直接条文を見たほうが正確に理解できるのかなと個人的には思いました。

条文を見たうえで、国税庁ホームページ「所得税のしくみ」を見ると、分かりやすいですかね。

補足として、「経費(費用)」を差し引くことを「控除」といい、この「控除」も所得税法に登場します。

それで「課税」は、「所得金額」にするのではなく、「課税(総)所得金額」にされます。

課税は「所得金額」ではなく「課税(総)所得金額」にする

「課税」は、「所得金額」ではなく、「所得金額」から「所得控除」を差し引いた額、「課税(総)所得金額」に対して課税されます。

この「課税(総)所得」に税率をかけた額が、所得税の納税額となります。

以上のように、所得税法による課税というのは順を経て、所得に対する税額が決まっていきます。

  1. 収入金額-経費(費用)=所得金額
  2. 所得金額-所得控除=課税(総)所得金額
  3. 課税(総)所得金額×税率=所得に対する税額

所得税に連動する「地方税」=「住民税」、「国民健康保険税(料)」

所得税は、「地方税」→「住民税」、「国民健康保険税」にも連動しています。

「住民税」の納税額を算定するにあたって、「所得金額」(=収入金額-経費(費用))を用いており、「国民健康保険税」の納税額も同様に、「所得金額」を用いて算定しています。

所得税のあれこれ

所得税法には、課税の仕方、「所得の分類」(現在10種類)、税率など定めていますから、これらの改正が、住民税や国保税にも影響を与えます。

ドラスティックな所得税法の改正

この間の税率の改正を最後に見ていこうと思います。

1980年代
 最低税率 10.5%
 最高税率 70%
 15段階構造

2015年代
 最低税率 5%
 最高税率 45%
 7段階構造

かなりドラスティックな改正が行われてきましたね。こうした改正によって、最高税率を引き下げた分は、どんな税がそれを引き受けているんでしょうか。

今後も「税金」をテーマにブログを書いていこうかと思います。次は「控除」について書こうかな。「基礎控除38万円」「基礎控除33万円」とかありますが、この基礎控除のあり方って、結構重要みたいなので。