【2022年3月議会】コロナ禍での市立病院の現在と未来への投資、自治体広報・広聴の「自治体DX」「SNS活用」について

発言通告

1 コロナ禍でいっそう役割が求められる市立病院の現在と未来への投資にかかわって
(1)コロナ禍以前と比較した対応・対策の現状について
①新型コロナウイルス感染症に対応するために整備した設備機器等の内容及びその効果と現状について
②コロナ禍以前と比較し、強化された感染防止対策の内容及びその効果と現状について
(2)コロナ禍における医療従事者への誹謗中傷の実態と医療従事者のケアについて
(3)コロナ禍での保健所の業務ひっ迫の影響及び市立病院への影響と果たしてきた役割について
(4)コロナ禍での「地域医療構想」の動向と本市の考えについて
(5)現行の経営改革プランにかわる「蕨市立病院経営強化プラン」はどのような状況・データ等を踏まえたものになり、検討されているのか
(6)未来への投資にかかわる「建替えを含む市立病院の耐震化と老朽化対策」について、状況・データを含む検討材料をどのように抽出し、検討されているのか
2 コロナ禍における「自治体DX」とSNSの活用及び自治体の広報・広聴のあり方について
(1)「伝わらない情報は、存在しないのと同じ」と指摘され、「伝える」とともに、「伝わる」ことの重要性が指摘されているが、本市はどのように広報・広聴のあり方について課題を認識し、取り組みを進めているか
(2)有事において、ホームページなどサーバーダウンした際に、本市が市民に情報を届ける仕組みはどのように整備されているか

登壇しての一般質問

◆1番(武下涼議員) 皆さん、こんにちは。日本共産党蕨市議団の武下涼です。今議会においての私の一般質問のテーマは、コロナ禍での市立病院の役割、また、コロナ禍での広報・広聴のあり方について、大きく2点です。
 それでは、通告に従いまして、以下質問します。
 まず1点目のコロナ禍で一層役割が求められる市立病院の現在と未来への投資にかかわって質問いたします。
 自治体病院がほかの医療機関と異なるのは、自治体が設置する行政機関であり、選挙で選ばれる首長、地方議会、そして最終的には選挙権を持つ住民の皆さんが設置や運営のあり方に関与できることが上げられます。このことから「自分たちの病院」という表現もできます。とはいえ、自治体病院を含め、病院機関を取り巻く環境は、診療報酬の改定、国の政策動向、病床の削減計画の影響を受けるなど、厳しい状況です。
 自治体病院は、地方財政措置は総務省が所管し、診療報酬改定は厚生労働省が所管しているという特徴があります。
 現在、総務省では、持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化に関する検討会が開催され、次期ガイドラインの構成等について議論が行われております。新型コロナウイルス感染症対応における公立病院の役割がこのガイドラインには明記されるという方向で動いており、総務省での公立病院のとらえ方に変化が出てきています。
 一方で、厚生労働省は、病床削減の基本方針は維持しつつ、新型コロナ患者への対応から病床確保にかかわる事業が今行われておりますけども、こうした動向を注視していく必要があります。
 市民の命や健康を守る地域医療の拠点として、公立病院が地域で果たしてきた役割を地域住民の皆さんや、今、トップダウンで政策が行われていますけども、国に対してしっかり説明していくことが求められております。
 そこで、コロナ禍での市立病院の役割、今後について質問いたします。
 (1)コロナ禍以前と比較した対応、対策の現状について。①新型コロナウイルス感染症に対応するために整備した設備機器等の内容及びその効果と現状について。②コロナ禍以前と比較し、強化された感染防止対策の内容及びその効果と現状について。
 (2)コロナ禍における医療従事者への誹謗中傷の実態と医療従事者のケアについて。
 (3)コロナ禍での保健所の業務逼迫の影響及び市立病院への影響と果たしてきた役割について。
 (4)コロナ禍での地域医療構想の動向と本市の考えについて。
 (5)現行の経営改革プランにかわる蕨市立病院経営強化プランはどのような状況・データ等を踏まえたものになり、検討されているのか。
 (6)未来への投資にかかわる建てかえを含む市立病院の耐震化と老朽化対策について、状況・データを含む検討材料をどのように抽出し、検討されているのか。
 次に、2点目のコロナ禍における自治体DXとSNSの活用及び自治体の広報・広聴のあり方について質問いたします。
 新型コロナウイルスにより、世界が大きく変わっております。例えば、オンライン会議やリモートワークなどを行政や自治体が行う。以前なら想像もできませんでしたが、今では環境を整備し、ほとんどの自治体で対応することができるようになっております。
 コロナ対策に関係する給付金などの支援は国や自治体を通じて行われ、国民、住民に対して迅速に情報の提供を行うとして、ホームページに関連情報を掲載しています。その昔は紙媒体の自治体の広報紙が情報発信の中心的な役割を担っていましたが、今ではホームページに情報を掲載することも自治体の1つの取り組みとなっています。
 一方で、ツイッターで情報を発信している、ウェブサイトに掲載している、広報紙に掲載している、それだけで十分と言える条件がどの程度そろっているのか。自治体が保有しているメディアのそれぞれの役割がどの程度浸透しているのか。その行政の情報をだれ一人取り残すことなく届けることができているのかどうか。そのチェックはどのように行われているのか。
 行政による国民や住民への迅速で正確な情報提供、情報発信を行っていくことは、新型コロナウイルス感染症の出現、近年の自然災害やこれから起こるであろうと想定されている自然災害への対策、防災・減災の点からも、国民、住民の生命や財産を守る上で、行政による情報発信の重要性は近年ますます高まっている状況です。
 情報を発信する、情報を届けるということは手段でもあります。住民に情報が届き、理解が広がり、そして行動変容につながって、初めて伝わるという情報発信ができたと言えるのではないでしょうか。
 デジタル化が進むことで、今までよりも効率的に情報を届けることができるようになる一方で、デジタルについていけない人もいます。デジタル情報の量に圧倒される人もいます。行政、自治体は、そうした人へも情報を届けていかなければなりません。だれ1人取り残してはならないのです。そして、デジタルのよさ、アナログのよさを引き出しながら、どのように情報を届ければいいのかを考え、実践することが幅広い層に情報を届けることができるのではないでしょうか。
 いい事業や制度があったとしても、国民、住民に届かなければ、それは存在しないものと言っても過言ではありません。有事になってから考えるのではなく、平時に情報ツールについて分析をしながら、効率よく発信する方法について知り、備えておくことが、いざというときに住民が求める情報を速やかに届けることにつながるのではないでしょうか。平時こそ、有事に備えた準備を進めていく。このような観点からの取り組みを進めていくことが今とても大事な、そういった時代に入っているのだと思います。
 そこで、本市の広報・広聴のあり方について質問いたします。
 (1)伝わらない情報は存在しないのと同じと指摘され、「伝える」とともに、「伝わる」ことの重要性が指摘されているが、本市はどのように広報・広聴のあり方について課題を認識し、取り組みを進めているのか。
 (2)有事において、ホームページなど、サーバーダウンした際に、本市が市民に情報を届ける仕組みはどのように整備されているのか。
 以上、登壇しての質問を終わります。
    〔病院事務局長 登壇〕

【答弁】 病院事務局長

◎病院事務局長  私からは1番目、コロナ禍で一層役割が求められる市立病院の現在と未来への投資について、順次ご答弁申し上げます。
 初めに1点目、コロナ禍以前と比較した対応、対策についての①新型コロナに対応するために整備した設備機器等の内容及びその効果と現状につきましては、令和2年2月、新型コロナウイルス感染にかかる帰国者接触者外来として、保健所からの要請で行政検査を実施するようになってからこれまでに新型コロナウイルスの飛沫拡散を防止する陰圧ブース2台や自院で行えるPCR検査機器を初め、発熱外来受診者の待合場所等として、その感染拡大状況に応じてトレーラーやテントなどを整備してまいりました。
 現在、第6波は少しずつ落ちつきを見せているところでありますが、この間の整備によって、新型コロナの早期発見と治療という医療機関としての役割を果たすことができていると思っております。
 次に、②コロナ禍以前と比較し、強化された感染防止対策の内容及びその効果と現状につきましては、医療従事者として、感染防護具のさらなる徹底、特に医師や、発熱患者と接する看護師等については、より感染防止の効果の高いマスクの着用、さらに看護師はアルコール消毒薬の常時携帯などに取り組んでまいりました。
 また、接触感染を防止するため、院内のトイレや洗面所などの蛇口はひねるタイプからレバータイプに変更するなどの対応を図り、一定の感染防止につながっているものと思っております。
 次に2点目、医療従事者への誹謗中傷の実態と医療従事者等へのケアについてでありますが、新型コロナが未知のウイルスとして感染拡大し始めた令和2年4月ごろ、当院において院内感染があったこともあり、誹謗中傷は数件ありましたが、それ以降はございません。
 また、医療従事者のケアについては、特に病棟での感染者の看護、外来における新型コロナ検査の検体採取を行う看護師については、上司による声かけなどを行ってきており、新型コロナによる休職、あるいは退職といった例はございません。
 次に3点目、保健所業務逼迫の影響と市立病院が果たしてきた役割についてでありますが、蕨・戸田市を管轄する南部保健所とは、この間常に連携を密にしてきており、保健所から濃厚接触者の検査依頼、いわゆる行政検査に積極的に対応を図ってきたところであります。
 感染の拡大によって、保健所業務が逼迫した令和3年8月の第5波では、保健所が濃厚接触者の特定など、その対応が難しくなってきたことから、当院の発熱外来等で検査後、陽性が確認された蕨・戸田市の方の同居者については濃厚接触者として、希望により予約で検査を実施してまいりました。
 しかしながら、第6波については保健所の逼迫もさることながら、当院においても発熱外来患者の急増による業務の停滞や検査試薬の不足が生じ、濃厚接触者への対応が難しくなりましたが、蕨市の同居者だけは無症状であっても、濃厚接触者として検査を実施してまいりました。
 次に5点目、現行の経営改革プランにかわる経営強化プランはどのような状況・データ等を踏まえたものになり、検討されるのかにつきましては、新たな国のガイドラインがまだ示されておりませんので、ガイドラインが示された段階で検討を始めることとなりますが、患者数や収支の推移など、基本的なデータを用いながら経営見通しの計画を初め、現行の経営改革プランで取り組んできた地域連携強化などの具体的な行動計画についてもまとめていきたいと考えております。
 次に6点目、建てかえを含む耐震化と老朽化対策について、状況・データを含む検討材料をどのように抽出し、検討されているのかにつきましては、蕨市立病院将来構想で示された病床130床など、現行の機能を維持していくことを基本に建物を耐震化する場合についてはどのような工法がよいのか、また、あわせて老朽化対策をどうすればよいのか、さらに、建てかえの場合は現地でどのように建てかえられるのかなど、それぞれの工事期間や経営への影響など、さまざまな角度から検討を重ねてきており、4年度末までにはその方向性をまとめてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
    〔健康福祉部長 登壇〕

【答弁】健康福祉部長

◎健康福祉部長  私からは、健康福祉部所管のご質問にご答弁申し上げます。
 1番目のコロナ禍で一層役割が求められる市立病院の現在と未来への投資にかかわってについての4点目、コロナ禍での地域医療構想の動向と本市の考えにつきましては、国の医療計画の見直し等に関する検討会やワーキンググループにおいて、感染症拡大時の病床確保と地域医療構想における将来の機能別病床数との関係など、地域医療構想全体の制度設計にかかる課題について検討されております。
 令和2年12月のその取りまとめでは、コロナ対応が続く中ではあるものの、この間も人口減少、高齢化は着実に進み、医療ニーズの質、量が徐々に変化するとともに、労働力人口の減少によるマンパワーの制約も一層厳しくなりつつあることや、各地域において、こうした実態を見据えつつ、質の高い効率的な医療提供体制を維持していくため、医療機能の分化、連携の取り組みは必要不可欠であることなど、地域医療構想の背景となる中長期的な状況や見通しは変わっていないとされております。
 市では、医療や介護を必要とする市民が住みなれた地域で必要なサービスを受けられる体制として、今後も蕨市立病院が果たしていく役割は大きいと考えております。
    〔総務部長 登壇〕

【答弁】総務部長

◎総務部長  私からは、総務部所管のご質問にご答弁申し上げます。
 2番目、コロナ禍における自治体広報のあり方についての1点目、本市はどのように広報・広聴のあり方について課題を認識し、取り組みを進めているかにつきましては、本市では広報について、広報蕨やテレビ広報「ハローわらび」、蕨市公式ホームページ、蕨市公式ツイッターなど、各種媒体の特徴を生かして、適切でわかりやすい情報発信に取り組むとともに、広聴についても日ごろから取材活動や各課の窓口、ホームページのお問い合わせ対応などにより、幅広く市民の皆さんのご意見やご要望などの把握に努めているところであります。
 また、市長タウンミーティングや市長への手紙、市長インタビューなど、市長が直接市政の情報発信や市民の皆さんの声を聞くことにも力を入れているところであります。
 一昨年来、コロナ禍が続き、市民の皆さんへの迅速な情報提供が求められる中、蕨市公式ホームページを中心にさまざまな媒体を活用して、必要な情報を適宜発信してきたところでありますが、状況に応じ、一人一人の手元により確実に届けていくことが今後も課題であると認識しており、各担当部局と連携しながら、より多くの市民の皆さんに伝わる情報発信に取り組んでまいります。
 2点目、有事においてホームページなど、サーバーダウンした際に情報を届ける仕組みにつきましては、蕨市公式ホームページは、災害時にアクセスが集中しても、サーバーがダウンしにくい災害時用のページに切りかえることができるようになっておりますが、蕨市公式ツイッターを初め、防災行政無線や蕨ケーブルビジョン番組内での文字テロップによる情報提供など、市民の皆さんに必要な情報を届ける仕組みを整えております。
 また、ホームページ公開サーバーにおいては、新年度の公開サーバーの移設に合わせて、新たにサブサーバーを用意し、万一サイバー攻撃などにより、メインサーバーに支障が出たときでも速やかに運用を継続できるよう整備を図っているところであります。
 以上でございます。

再質問

保健所の逼迫という中での市立病院の位置づけ

◆1番(武下涼議員) それぞれご答弁いただきました。ありがとうございました。
 広報については昨年の12月も取り上げさせていただきました。引き続き、問題意識の共有も含めてさせていただきたいなと思っております。ただ、再質問については通告どおりさせていただきます。
 まず、病院のほうからお聞きしたいと思います。
 基本的にやはり新型コロナウイルス感染症の出現から、病院の設備というのも大変変わってきたということ。あと、感染対策においては、引き続き現場のほうが緊張感を持って、また、工夫をしながら努められているということもよく理解をしておりますし、まだ第6波というような状況ですけども、先の見えない状況がまだ続いている中で、医療従事者にかかっている負担というのも想像尽くしがたいというような状況があるかと思います。
 少し改めてお聞きしたいんですが、病院をめぐっては診療報酬の改定ですとか、そういった国の動向が関係しているということです。この点については、改めて南部地域医療、そういった地域における市立病院の立ち位置なども後ほど確認をさせていただきたいんですが、まず第5波、第6波で、保健所の関係で市立病院が担ってきた行政検査というお話も答弁がありました。
 改めて、保健所機能が逼迫する中で、市立病院として、どの程度の件数を担ってきたのか。保健所の逼迫という中で、全体のどの程度の検査の担い手となったのか。保健所の逼迫という中での市立病院の位置づけというのをどのように分析されているのか。まずそこをお尋ねしたいと思います。

◎病院事務局長  市立病院は帰国者接触者外来ということで指定を受けまして、指定を受けた医療機関というのは保健所からの要請に基づいて検査を実施しているということで、実際、帰国者接触者外来というのは非公表ということでございますので、当初、余り知られていなかったという部分はあります。
 実際PCR検査センターができるまでの間というのは、多分市内で唯一の帰国者接触者外来という形で水面下ではずっと検査をさせていただいていたような状況でございまして、令和2年4月から4年3月8日現在で2,032件というような形で、主に濃厚接触者という形の検査依頼を受けるというような形でございます。
 ただ、保健所は業務逼迫してしまいまして、当院が保健所のかわりに陽性者の方の同居の方の濃厚接触者扱いという形で検査をした件数というのがその中で538件という形になります。実際この数というのが第5波と6波だけに集中した検査ということで、実際病院が保健所のかわりに対応してきたというのは2,032件のうちの538件ということで、4分の1近くは対応できたのかなと。
 また、ちょっと加えてなんですけど、この中で市内の保健所とか、そういったところでの濃厚接触者扱いというのも市のほうでもいち早く、保健所とも対応して協議をしていただく中で、病院も加わって早めに検査をするというような形の対応も行ってきておりまして、コロナ禍の中での早期発見であるとか、感染拡大を防ぐという意味の役割は果たしてこれたのかなと思ってございます。
 以上でございます。

◆1番(武下涼議員) 今、ご答弁いただいたのはやはり保健所の逼迫という部分を多くの部分で市立病院が担ってきたというようなご答弁だったと思います。
 総務省のほうでも次期のガイドラインの策定に当たって、検討会というのが開かれていまして、そこでも改めて公立病院のあり方、役割ということで議論されているということもあって、委員からもやはり公立病院が数字的にも果たしてきた役割が大きいのではないかというのは課題提起というのがされておりました。
 実際に蕨市でもそういったような市立病院の対応があったということで、引き続き、国に対しては地域医療の拠点ということを現場からもしっかり伝えていくことが大事なのかなというふうに今、答弁を聞いていて思っているところであります。
 それで、先ほどの南部地域医療における市立病院の立ち位置ということでお伺いしたいんですね。改めて市立病院の立ち位置、例えば高度急性期から、本市は急性期医療というところを担ってはおるんですけども、その緩衝材的な役割として医療を発揮されているというふうな理解もしているんですね。
 ただ、埼玉県全体としては医師不足であったり、医療資源ということで課題があるという中で、それに加えて、まだ病床削減をしていこうというような方向性が出されてはいるんですけども、そこら辺、改めて南部地域医療においての市立病院の立ち位置をお聞かせいただきたいと思います。

◎病院事務局長  議員さんもご存じのとおりなんですけど、市立病院というのは厚生労働省から再検証対象病院として上げられて、その理由というのが車で20分以内に類似医療機関があるというような形で、数字だけで地域の実情というのは全く考慮されていないというような状況でございました。
 その中で、当院については県の南部地域における地域医療調整会議の中で議論されるということでございましたけれど、コロナの感染拡大の中で議論は中断されてございまして、市立病院がその調整会議の場で意見を述べるといったことも、いまだできないような状況でございます。当院としましては登壇でもご答弁申し上げましたとおり、将来構想に掲げた現在の医療機能を維持していくというような方向でございます。
 そうした考えの中で、改めて南部医療圏での市立病院の立ち位置ということで、例えば診療報酬点数の個々の医療機関が算定している状況という視点で見てみますと、急性期における入院基本料というのが1から7までで現行7段階になっているんですけれど、数字が小さければ、点数も高くて、より高度な入院対応ができる医療機関という形になってございます。
 実際、入院基本料1を算定している医療機関の数というのが県南部で8ございます。一方、回復期側寄りの急性期というのでしょうか。要は7とか6とか、そういった部分というのが実際県南部にはもう全くないというような形で、当院については入院基本料5というような形でございます。当院を含めると5を算定している医療機関というのは、5医療機関という形です。その他、入院基本料4が2医療機関、入院基本料2というのが1医療機関という形になります。
 そういったことを見てみると、やはり高度急性期を脱した患者の受け入れ先という部分では少ないのかなというふうに感じてございます。言いかえれば、高度医療機関からのニーズ、必要性というものが確実にあるのかなというふうに思ってございます。
 現に、そういった状況の中で市立病院への要請で受け入れをお願いするという形のニーズというのも頻繁に起きている状況でございますので、そういった意味も踏まえると、やっぱり市立病院の立ち位置というのはしっかりあるのかなというふうに思ってございます。
 また、埼玉県の地域医療構想の今後の方向性ということで意見交換みたいなことだと思うんですけど、意見の中でもやはり超急性期を脱した患者の転院先に難渋するというような形で、これを解決すべきなのではないかという意見も出されているような状況でございます。
 加えて、南部地域における課題点としまして、先ほどご指摘あったように高齢者層の増加という部分がありまして、高齢者に対応する医療機能、回復期という部分の病床が不足されているということが課題として上げられております。
 蕨市にとっても超高齢社会に向けた地域包括ケアシステムの構築という、まちづくりにおいても、やはり回復期というのは非常に重要な部分でもあるなというふうには当然認識をしてございますので、そうした部分も市立病院としてどうあるべきかというのは今後しっかり考えていかなければいけない部分もあります。
 ただ、いずれにしましても、今後とも地域医療の中核として、南部地域のエリアでもしっかりと根をおろして発展させていきたいなと。そのように思ってございます。

◆1番(武下涼議員) ご答弁ありがとうございました。南部医療地域においての市立病院の立ち位置というのは理解できました。引き続き、南部医療地域においては、市民の皆さん、または医療にかかる方にとって、病院の転院先というのもとても重要な指標だと思います。
 改めて答弁を伺う中で、国が再編リストというものを出されましたけども、本当に上からトップダウン形式。現場を見ていないような形でリストが出されたんだなというように実感する答弁でもございました。その意味でも引き続き、市立病院での取り組み、拡充、推進をしていただきたいなというふうに思っております。
 病院経営にかかわっては、先ほど診療報酬のお話もございました。2022年度、診療報酬が改定されるということで、おおむねの状況としましては、高度急性期は充実するという一方で、中小の急性期病院には厳しい改定が行われているというようなお話でございました。
 具体的には200床以下の病院に対しては厳しい措置がとられているというような分析も若干ではありますが出されておりまして、こうした診療報酬上、取れるものは取っていくというのはとても大事なところなんですが、改めて診療報酬改定においての市立病院への影響というのは、対応も含めてなんですが、どのように検討されているのか、お聞かせいただきたいと思います。

◎病院事務局長  現時点なんですけれども、診療報酬改定での当院の大きな影響というものはまだ見受けられないというような形でございます。ただ、急性期入院医療のあり方、方向性という部分の考え方が顕著にあらわれてきたのかなというふうに思ってございます。
 具体的に言いますと、先ほど申し上げましたとおり、入院基本料という部分なんですけれど、1から7という部分が今回の改定で1から6というような形で、要は6と7が統合するという形です。ですから、入院基本料7というのがなくなるというような形でございます。6のところが7の点数になるということで、実質もう6の入院基本料の点数が下がるというような形でございます。
 当院は5ということで、基本的には入院基本料への影響というのは全くないんですけれど、将来的には5と6の統合という部分で、この先というか、いつになるかというのはわからないんですけれども、将来的にはそういった部分での統合という議論もしていくとされているような状況でございます。
 あと、今回急性期という部分で重症度とか看護であるとか、医療の必要度という部分で、毎月病院では必要度がきちんと達成できているかという部分でその割合を算出しまして、3カ月の平均でパーセンテージ、割合を出しているんですけど、当院の場合は20%を下回ると急性期の入院料を減点されるというようなルールがございまして、実際当院では20%を切るというようなことはないんですけれど、今回の改正の中で20%から17%という形で引き下げが行われて、一瞬ちょっと緩和なのかなと思ったんですけれど、実際はその必要度を示す項目というのが心電図モニターの装着という部分があるんですけれど、それがもう必要度としては認めないよというような形になりまして、やっぱり心電図モニターをつけているという部分は結構多いので、そういった部分で、今までは必要度として対応できていたんですけど、それがなくなるということで、急性期の医療機関にとって厳しい部分もあるのかなと。
 実際に運用してみないとわからないという部分もあるんですけれど、そういった危機感も当然ございますので、幸い4月から当院におきましては東京医大から2名の派遣という形で、1名増の派遣という形ですけれど、そういった部分で今月1度、当院に先生方が見学しに来てくださったんですけど、その際に院長のほうからも手術、入院は必要度として項目として上がる部分もありますので、そういった部分でも入院増というような形で指示をしていただいているというような状況でございます。
 いずれにしましても、急性期の幅が狭くなってきたなというふうな感じがございまして、それはやはり国の急性期の考え方という部分がより強く反映されてきているのかなというふうに思ってございます。今後も国の動向には注意していきたいなと思っております。
 今回の改定では感染症等にも対応できる効率的・効果的で質の高い医療体制の構築であるとか、医師の働き方改革等の推進とか、そういった部分が重点的な課題とされてございますので、そこら辺が反映された診療報酬ということで、外来の感染対策向上加算という部分でも新設がありましたし、あと、働き方という部分では看護補助者のさらなる活用という部分での加算というのも出てきました。そういった部分は当院でもきちんと加算をとっていきたいなという部分がございます。
 あと、細かいところなんですけど、骨粗しょう症を有する大腿骨近位部の骨折の患者さんに対して、早期からの治療であるとか、指導等をやった場合に加算できるというような、そういう新設できる項目ができたということで、幸い当院の整形外科医ができそうだというような形でありますので、今、先生と調整をして加算の方向で届け出をしていきたいなというふうに考えてございます。
 詳細についてはまだ全部把握はし切れていないところもあるんですけれど、できるだけ加算をとれるものはしっかり加算をとっていきたいなというふうに思ってございます。
 以上です。

◆1番(武下涼議員) ありがとうございます。幾つか外来の新型コロナの補助であったりだとか、看護の補助の関係で、そこにも加算がつくというようなお話をいただきました。また、骨粗しょう症の骨折の治療にかかわっては、市立病院の医師の方が今調整中だというお話も伺いました。そういった中で運営をしていくというところで、状況は厳しいんですけども、引き続き努力はされているというふうな理解をいたしました。
 市立病院の運営にかかわっては、先ほど治療できるかどうかということで医師との相談、調整もあるというお話を伺ったんですけども、市立病院というのは事務職のスタッフですとか、医療職のスタッフということで運営されているというふうに理解をしておりまして、発熱外来も設置されたというところもあるんですけども、病院運営に当たっては、トップダウンというのは大変好ましくない状況だと思うんですね。
 ただ一方で、求められるものは医療としては提供しなければならないというような状況があると思うんですけども、こういった事務スタッフですとか、医療スタッフの連携。発熱外来についても医師にかかわることですし、今までの市立病院の医療提供の仕方とは異なるやり方を行っているということもありますので、どのような調整であったりとか、努力が尽くされてきたのか、改めてそのあたりをお伺いしたいと思います。

◎病院事務局長  今回コロナの関係での病院の体制ということだと思います。例えば、入院の受け入れのときなんですけれど、今、6波で少し落ちついたんですけれど、特徴として高齢者の方が非常に多くて、呼吸器系の症状で咳とかも激しいと。そういう中で、さらに介護が必要になっている部分も出てきておりますので、患者さんにもすごく密着して対応せざるを得ない部分もあって、看護師のほうも本当にご苦労されているのかなというのがございます。
 私自身、ちょっと印象に残っているのは、第5波のときだと思うんですけれど、病院の中で入院がいっぱいいっぱいになったと。次に入る方を受け入れるために、今、入院している方を、ちょっと症状はまだあるんですけれど、帰さなくちゃいけないと。それはもう医師の判断で、次の方を入れるためにもう帰さなくちゃいけないと。いざそれで帰すためにはどうしたらいいんだと。結局、自分1人で帰れないと。家族もいないと。消防の救急車を要請するかと。それもなかなか難しいと。保健所のほうで対応できるかと。そういう対応をしていただいた時期はあったんですけれど、逼迫しているときでやっぱり対応もしてくれないと。かといって、民間のほうでどこかに頼めるかと。でも、やはりコロナが完治していないという部分で難しいと。
 結局、そういういろいろな議論の中で、医師が「おれが乗っけていく」というようなことも言ってくださったので、そういった部分で、「先生、そこまで言うんだったら」というので、事務所のほうでも一緒にやりましょうということで、そのときは消防のほうにちょっとお願いをさせていただいて、病院の車を救急車並みの感染対策という形でしっかり養生していただいて、それでご自宅まで送ったわけなんですけれど、やっぱり途中、完治していないという部分もあったので、ふらふらの患者さんなんですけれど、先生がきっちり支えてあげて、階段を上がって2階。玄関までかなと思ったんですけど、家の中に入り込んで、約10分間ぐらいだと思うんですけど、患者さんに対しての説明であるとか、自宅での療養の過ごし方、また、今後の治療方法というのをしっかり話されたということで、本当に通常じゃないなという部分。やっぱり大変だなというふうな印象がございました。
 発熱外来については、まず患者さんにとっては寒さの中で待っていただいたというのは、本当に大変申しわけなかったなというふうなのはございます。ただ、市立病院で発熱外来に来ていただければ、PCR検査なり、抗原定量検査なり、そういった部分でしっかり検査結果をその日のうちに出すことができるし、あとは、幸い当院、院内処方ですので、その場でその症状に合ったお薬をお渡しできると。
 これが仮に院外処方であったら、調剤局にだれが取りに行くんだと。中には感染という意識のない中で、ふらふら取りに行くという場合も例としてはあったんですね。そういった部分もありますし、かといって、薬局のほうで郵送していただけるのかといったら、郵送していただけるにしても、その日のうちに届くのかという問題もある。そういった意味も考えると、院内で薬を処方できるという部分。さらに、市内の方であれば、家族がいれば、濃厚接触者という部分で、その日のうちに予約をして、早くて翌日に発熱外来で待たなくて、午後に検査ができるというような体制ということになってございます。
 そういう中で、医師のほうは院長を先頭に、検査の結果が出たら、患者さんは基本的にはテントの中で待つとか、寒さをしのぐために自分の車でという部分で待っていらっしゃるとか、その都度その場所まで行って、検査結果を説明すると。いろいろ動き回っていただいたなというふうには思ってございます。
 あと、看護師さんについては、当院の検査方法、検体採取方法なんですけど、最初唾液でやっていたんですけれど、要は医療従事者への感染リスクというのも低減されるので、唾液という部分があったんですけど、高齢者とかもいるとすごく時間がかかっちゃうんですね。そういう中で順番もごちゃごちゃになっちゃいますし、それだったらというので鼻で採取ということで、それのほうが確実性があって、スピードも稼げるという部分で、そういった対応に途中で切りかえてやっていたんですけど、やっぱり一番感染リスクが高いのは看護師さんだったのかなと思います。
 その中でテントの中で同じように……
    〔「答弁が長過ぎる。簡潔に」と言う人あり〕

◎病院事務局長  はい、済みません。寒さの中でいろいろ対応していただけたのかなと思います。
 ほかにも受付のほうもしっかり、今、病院ではタブレットとかで職員が立たないというケースも多いんですけど、やはりそこは2人体制で立っていただいたりとか、事務所の職員もすべて陽性者に対するお会計から薬の受け渡し、そういった部分もしっかり対応したと。
 全体を通して、病院の規模が小さいので、医師とか看護師、あとコメディカル、職員もそうなんですけれど、いろいろな面でみんな顔なじみといいますか、そういった中で身近に感じている部分もあるので、やっぱり連帯感、連携がとりやすいのかなと思ってございます。
 あとは自治体病院として働いているという部分の意識も当然ありますので、そういった部分で連携がとれているのかなというふうに思ってございます。
 以上でございます。

◆1番(武下涼議員) ありがとうございました。市立病院がどのように運営されているのかというのがなかなかわからない状況の中で、詳細に答弁をいただいたということでありがとうございました。
 私がちょっと疑問に思うのは、こういった一つ一つの現場というのが国であったり、ちゃんと届いているのだろうかというのが非常に気になるところであります。先ほども話がありましたとおり、通常の医療に加えて感染対策、または既に入院されている方への対応ということで、市立病院がプラスアルファの仕事を、医療のスタッフの皆さんも含めてですけども、行われてきたということだと思います。
 いろいろな機会を通じて、こういった状況で対応してきたんだと。一つ一つの医療機関として、市立病院も報告書を上げる機会というのがどういうふうにつくられるのかというのはあるんですけども、ぜひそういった機会にそういうような報告を上げられるようにしていただきたいなというふうに思っております。
 今、お話がありました看護師の方が非常に頑張っていただいたという話も答弁の中でありました。これは委員会の中ではお聞かせいただいたんですが、感染防止の対策の取り組みとして、感染管理認定看護師。これは診療報酬の加算点でもあるんですけども、市立病院においてはさらなる感染防止対策を強めるということで、入学を検討しているというようなお話があったかと思います。改めてこの状況について、お話しできる範囲で構わないんですが、お聞かせいただけたらと思います。

◎病院事務局長  感染管理認定看護師についてなんですけれど、今年度は試験を受けまして、倍率大体2.7倍ぐらいということだったんですけれども、合格することができまして、来年度1年間かけて、感染症に対する専門知識を学ぶというようなことになります。
 やはり現場を動かすのは看護師さんであろうかと思いますので、そういう看護師さんの視点での感染対策というのを強めていきたいなという思いで、今回、研修に行っていただくと。いない分、病院の看護体制というのが厳しくなる部分でもあるんですけど、来年度、しっかり研修をしていただきたいなというふうに思ってございます。
 以上でございます。

◆1番(武下涼議員) 委員会の中でも感染管理認定看護師の必要性についてということでご質問させていただいて、実際、蕨でも市立病院で行われるということで、非常に専門性の高い、また、感染防御策についてもかなりプロフェッショナルに学ぶ場というふうに、資料上では見せていただきましたので、引き続き、そういった点も強めていただきたいということを重ねてお願い申し上げます。
 今、まさに医療機関というのは、新型コロナウイルスへずっと対応し続けているという状況ですので、医療従事者の心労にも大変負担がかかってきているような状況は全国各地でもあるようなことだと思います。事務職スタッフの役割、医療職スタッフの役割、それぞれ違いはあるんですが、引き続き病院経営というところも含めて努めていただきたいということを要望しまして、病院のほうについては、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

広報・広聴、蕨市ホームーページ、ウェブアクセシビリティの向上について

 続いてなんですが、広報・広聴にかかわってです。これにかかわっては幾つかの論点がありまして、改めてそういった話を、問題意識も含めてお聞きしたいと思っています。
 例えば、蕨市のホームページについてはウェブアクセシビリティという方針があります。これについては高齢者の方や障害者の方を含めて、ホームページで情報を利用する際に、スムーズに支障なく利用できるようにということで、こういったウェブアクセシビリティというような方針が定められております。
 こういった観点ですとか、改めて防災・災害情報にかかわって、本市は緊急情報配信ヤフーというものも登録をしているというか、情報提供しているということですとか、行政の防災無線ということで、まず無線のほうの音声データを発信していたりだとか、そういった音声データにかかわって、メールでデジタル配信をしているという状況でもあります。また、無線の音が聞こえないよという方に対しては、ファクシミリを対応していると。これは通信技術を用いた紙媒体での情報提供だというふうに分類ができると思います。
 もう1つ、広報蕨におきましてはマチイロという、広報をデジタルで読む。今、そういったアプリがありまして、蕨市はそれに登録をしていて、アプリ上で見られるというような状況もあります。
 こうしたことを考えますと、こうしたさまざまな情報の発信がされているという中で、市民の方にどれだけ浸透して、それを活用しているのかというのが今後大切になってくるのではないかなという問題意識から、昨年の12月、2021年の12月議会から引き続き広報・広聴について質問させていただいているという経過です。
 昨夜は大変大きな地震がございました。とても不安に思いながら夜を過ごされた方もいらっしゃるかと思います。3月といえば、東日本大震災ということで、日本に住む方々はさまざまな大きな自然災害を経験してきて、その教訓をどうやって生かしていくのかというのが今本当に問われている状況なのではないかなというふうな問題意識もあります。
 そこからウェブアクセシビリティのところから質問したいと思っていたんですが、改めて防災・災害情報についてお聞かせいただきたいということと、あと、ご提案をしたいということがございます。
 ちょっと状況として確認したいんですが、今、ファクシミリで防災行政無線の情報を受け取っているという方、実際その事業を利用されている方がいらっしゃいますが、その方はメールも利用されているのか。複数の手段を用いて、そういった災害情報を得るというような、例えばファクシミリの関係ですけども、そういったような状況というのは把握されているのかどうか、まずお尋ねしたいと思います。

◎総務部長  申しわけございませんけど、今のご質問についてはちょっと手元に資料がございません。

◆1番(武下涼議員) 資料がありましたら教えていただきたいなと思います。
 なぜこういったご質問をしたかといいますと、自治体として広報というのはあらゆる仕事についてかかわってくるものだと思います。防災、災害においては、ファクシミリって電化製品なんですね。要するに大規模な停電だったりとか、小規模な停電もそうなんですけども、発生した場合は家電製品が使えないという状況もあります。そういったことを利用される方が理解をして、ファクシミリを使う。
 もう1つは、ファクシミリが使えなくなった場合は例えばメール。デジタルのほうで情報を見るというような使い分けができるような環境といいますか、働きかけというのが大事だなということもありまして、今、状況を伺いたかったということだったんですね。ちょっと手元に資料がないということなので、それは後ほどお伺いしたいということです。
 蕨市のホームページのつくりを見ますと、確かに防災・災害情報にかかわるコンテンツがございます。ただ、そのコンテンツの中を見ますと、例えば、緊急情報配信ヤフー。これはデジタルの情報だと思いますけども、これを利用することによって、市民が一体どういう情報を得られるのか。なぜ行政はそういう仕組みを取り入れたのかという説明がなかったりします。そういったところを体系的に、市民にとって一覧で見られるような情報整理といいますか、そういった必要性を実は感じております。
 特に自然災害が多発している中で、昨夜は大きな地震がありました。今後、また災害に対しての市民の思いですとか、そういったニーズが高まってくる状況の中で、市民が災害に向き合ったときにどういうふうな場所から情報を得られるのかということ。そういう情報整理をしていくのが自治体の役割ではないかなというふうに思っておるんですが、改めてホームページのつくりも含めて、体系的に発信していくことの重要性について、どのようにお考えなのか、少しお聞きしたいと思います。

◎総務部長  いろいろな情報発信については媒体があるということになりますので、それのいわゆる特徴がそれぞれあると思います。それを生かした中で、受け手もそれを選択しながら行っていくということになろうかと思います。
 ただ、たくさんの媒体が出てくるということによっては、もしかするとそれがかえって使いづらくなってくるという可能性もありますので、確かに今ご指摘があったようにいろいろな媒体についてのメリット、デメリットであるとか、デメリットというのも変ですけれども、その使い分けですね。そういったものについては丁寧に受け手の側のほうにご説明していくということは必要ではないかと。このように思っております。

わかりやすいホームページ、市民の意見を取り入れる仕組みの拡充を

◆1番(武下涼議員) ありがとうございます。問題意識は一緒に共有できたのかなというふうに思っております。そういったものを形としてホームページでぜひ、例えば災害関係で広報蕨も特集したりしているかと思います。そういったものを改めて、こういった特集を組んだんだよということでホームページ上でもいいですし、ツイッター上でも構わないんですが、周知のほうに努めていただきたいということを要望させていただきます。
 災害、防災についてはやはり情報が多数から来るという性質もありますので、改めて自治体の整理というのが求められていますので、少しその辺の整理はしていただきたいなと思っております。
 そこに関連しまして、ウェブアクセシビリティの関係でご質問をさせていただきたいと思います。本市もホームページをつくる際にはウェブアクセシビリティの方針を定めて、ホームページがつくられているというふうに理解をしておりまして、この方針のもとに、だれもが利用しやすいようなホームページをデザインしていく、設計していくというふうに進められていると思いますが、改めて本市の取り組み状況をお伺いしたいと思います。

◎総務部長  これにつきましては、今回、令和2年にホームページのほうをリニューアルした際に、今、お話がありましたところでのガイドラインを、市としては国等で示されているものを参考にして作成をさせていただいております。
 したがいまして、その中で示されている、特に国のほうで示されているもの、その各項目については、当然ながらそれを入れ込んでつくり込みをしているという形になりますので、まず、その基本のベースについてはそこからつくられているということでご理解いただきまして、ただ、それだけでおさまるということじゃなくて、それはそれ以上にいろいろな改善点というのは、もちろん見ている側等々からお話、意見等がございますので、それについては、可能なものについては、常にその改善をしていくというスタンスでつくり込んでいるという状況でございます。

◆1番(武下涼議員) 状況等はわかりました。ありがとうございます。
 ウェブアクセシビリティの関係で取り組みの実効というので、幾つかガイドラインの策定ということで定められております。例えばホームページでございましたら、年度ごとの計画を実行する取り組みとして、まずガイドラインの更新であったり、またはこういったウェブ更新というのは専門性が高いというふうに言われていますので、職員研修をしていくことであったりとか、実際にホームページを検証していくこと。あとは実際に利用されているユーザー評価ということ。それを通じて改善につなげていくという取り組みも1つの取り組みとして示されております。
 これは年度ごとということなんですが、先ほど私は防災に特化してお話をしましたが、日々の運用における取り組みであったり、ページ作成の対応であったり、公開前にどのようなチェック。2021年12月の市議会でも各課が担当しているページについては、更新を上げるよということについて、秘書広報課のほうで一応チェックをして公開をしていると。そういった取り組みが日々の運用における取り組みというふうにされております。
 もう1つ、私が大事だなと思っていますのは、やはり利用者の意見収集と対応というところがとても大事になってくるのではないかなと思っております。このウェブアクセシビリティのもともとの趣旨としましては、先ほど言いましたとおり、高齢者の方ですとか、または障害のある方たちが市のホームページを利用する際に利用しづらい状況をなくしていく。つまり利用しやすいようにつくっていくということがそもそもの根幹のものだと。これはガイドラインであったりとか、幾つかのQ&Aでも示されている中身でありまして、利用者の意見収集だとかはとても大事だなと思っております。
 他の自治体においては当事者となる方を呼びまして、こういったホームページの勉強会といいますか、改善するための検討会を行っているという事例もございます。ここで改めて、先ほどから聞いております取り組みの実効というところで、蕨市のホームページの作成に当たって、利用者等の意見収集ですとか、対応というのはこの間どのようにされてきたのか、状況をお伺いしたいと思います。

◎総務部長  実際にホームページを利用している方と直接的に何かをしたというのは、ここのところでは多分なかっただろうというふうに思いますけれども、ホームページ上を通して寄せられるご意見ですとか、それから、何か場を設けてではなくて、直接市のほうに入ってくるそういった声については伺っているという状況でございます。
 それから、先ほどの災害時の関係で、ファクシミリによるサービスで、いわゆるメールとの併用というお話がありましたけども、ファクシミリのサービスについては、聴覚障害者のほか、スマートフォンの利用が難しい方に逆にご利用いただいているということでございますので、原則としてメールのサービスとの併用はしていないという状況だそうです。

◆1番(武下涼議員) 今、ファクシミリのご答弁がございました。やはりファクシミリを利用されている方は限定的である。もちろん聴覚障害の方が利用されているということでありました。
 そういう中で利用するに当たって、ちょっとここは確認させていただきたいんですが、先ほど私がファクシミリって家電ですので、通電されていないとその機械は動かないということでありまして、そういったファクシミリによる情報提供というのは一定程度リスクが存在するんだということも含めて、事業の中では説明をしているということでよろしいんでしょうか。

◎総務部長  それについてはそのように相手の方には説明されているというふうに認識しております。

◆1番(武下涼議員) わかりました。ありがとうございます。
 ちょっとまた関連してなんですが、その際に代替となるような情報提供ということは、市のほうからあわせて説明しているということがあるんでしょうか。

◎総務部長  このサービスの関係で、そこまでの詳しい情報については、今、ちょっと手元に資料がないので申しわけございません。正確なお答えができないので少し調べさせていただきたいと思います。

◆1番(武下涼議員) 済みません。よろしくお願いします。
 では、ちょっと質問のほうを移らせていただきまして、今、ウェブアクセシビリティの関係でご質問させていただきました。市のホームページについては個別に意見が集まっているというお話でありました。
 一方で、市のホームページというのが、今、大変大きな情報の集積所というふうにもなっていますし、今、市のホームページというのは新型コロナ対策ということで、多分特別ページという形で対応していると思います。ただ、携帯で見ても、その画面が一覧としてすごく出ていて、ほかの項目に行くまで、なかなか長くなっているということもあります。ほかの自治体においてはバナーというんですか、画像という形にして、その項目を一定整理するということも行っております。
 こういった見やすさを高めていく。または情報活用をしていくという環境整備というのがやはり大事なのかなということも思っていまして、改めて基本的な考えをお伺いしたいんですが、ホームページもまちづくりの一環だというふうに私は認識をしていまして、そのあたりどのように、市民協働として、ホームページもつくり上げていくということも大事だなというふうに思っていまして、そのあたりの認識はどのように持たれているのか、お聞きしたいと思います。

◎総務部長  ホームページをつくるに当たっての市民協働というような観点のお話が中心だったんでしょうか。これにつきましてはホームページに限らず、広報には共通している部分だというふうに思っております。広報・広聴両輪として進めていくということになりますし、その中では当然市民の方が欠かせないということになりますから、そういった声を聞きながら常に柔軟に対応していくというのが基本だろうというふうに思っていますし、今までも蕨市の広報についてはホームページも含めて、そのような形で進めてきたというふうに思っております。
 見やすさの面ということにつきましては、ほかの先進の自治体等も含めていろいろと研究をさせていただいて、よりよい形にしていきたいというふうには考えております。

広報蕨について「マチイロ」の導入経過、「カタログポケット」の活用の考えについて

◆1番(武下涼議員) ありがとうございます。基本的な考えはよくわかりました。
 先進自治体というのは先ほど言いました情報を整理するという形でバナーを活用したりとか、文字というのも非常に情報量が多かったりとか、文字を体言どめでタイトルに表現するだとか、そういった形ですっきりさせるということも1つの取り組みとしてありますので、ぜひその辺に注意をしていただきながら、ホームページの更新をしていただきたいなというふうに思っております。
 広報にかかわって、もう1つ関連してお聞きしたいことがございます。広報蕨にかかわっては、今、マチイロというアプリを使われているということなんですね。改めて、そのマチイロの導入経過をお伺いしたいなということであります。
 問題意識としましてはカタログポケットというような、同じではないんですが、カタログポケットというシステムのほうは、要するにアプリ上で多言語化されるわけなんですね。今でいうと日本語を含めて、9カ国語を自動翻訳してくれるというようなサービスもついています。ただ、もちろんこれについては有料ということでございまして、年間経費がかかるという側面もございます。
 そういったシステムがある一方、マチイロというような方法を選ばれたということだと思っているんですけども、その導入経過も含めてお話を伺えたらと思います。

◎総務部長  まずマチイロにつきましては、より多くの方々に広報蕨を読んでいただきたいということでのツールの1つということになるわけです。今、スマートフォンが普及しておりますので、そういったもので気軽に閲覧ができるというメリットがありますから、そういった意味で導入をしていると。これについては費用面でも無料であるというのが1つの大きな魅力であったということがあります。
 今、ご紹介のありました、その一方でのカタログポケットですか。こちらのほうについては、確かに言語としては今言ったように複数、かなり多くの言語に対応しているということでありますが、一方で費用のほうは有料ということで、一定の運営費用もかかるということになります。
 その中で中身を見ていきますと、確かに多言語には対応していますけれども、実際に導入している他団体の例を聞いていく中で、その機能自体が余り使われていないという指摘も出ていたというところがあったようですね。
 ですから、そういった中での全体的な検討の上に立って、今回のマチイロの形での導入に至っているということでございます。

◆1番(武下涼議員) ありがとうございます。マチイロとカタログポケットの傾向がよくわかりました。マチイロのほうは無料で導入できると。気軽に導入できるからということが答弁だというふうに思います。カタログポケットのほうについて、他団体のほうということで情報提供いただきましてありがとうございました。
 一方で、こうした広報につきましては、例えば、広報を読むことの意義ですとか、ここ最近で言えば、やっぱり多言語に対応していくためにどうしていくのかというところと、あと、カタログポケットにおいては広報紙だけではなく、ハザードマップですとか、さまざまな情報の媒体をそこに掲載することができるということ。あわせて、その中で多言語対応ができるということ。また、ワードでつくってPDFで、例えば、臨時のチラシをつくった場合でも、そのカタログポケットで掲載をすれば自動翻訳がされるということであります。
 そういったメリットとデメリットを比較した場合、私はメリットのほうが高いんではないかなというふうに思っているんですね。ただ、その活用をどういうふうに促すのかということがやはり自治体側のほうにも問われている。導入する以上、問われている点だなというふうに思っております。
 もう1つ、カタログポケットを単独で導入しても、効果的な情報発信というところは課題が残るところでもあります。どうしてもデジタルというところになると、組み合わせをどういうふうにしていくのかと。例えば、SNSの中のLINE。きのうの議会の中でもLINEの活用というふうにありましたけども、LINEの活用を含めて、自治体広報デジタル化版をどうやって組み合わせて、市民の方に情報を届けていくのかという、こういうセットがとても大事なってくるのではないかなと思っております。
 そこで、導入自治体の例はあったんですが、カタログポケットのニーズというのが高まりつつあるんではないかなと。ここ最近、導入が広がりつつあるという傾向がございまして、改めて本市の導入、活用、検討についての考えをお伺いしたいと思います。

◎総務部長  いろいろと媒体があると思いますので、ご提案いただいたものというのもまた1つのものであろうと思いますので、これについては費用対効果の面をよく考えながら対応していくということで、これからは、これに限らず、いろいろな形のものがもっともっと出てくる可能性もありますので、そういったものを見ながら、あと、蕨市としても伝えていかなきゃいけないところ、それから、多言語化という機能がツールとして本当に発揮できるのかどうか。こういったものもいろいろと見ていきながら、総合的には検討してまいりたいというふうに思っております。

◆1番(武下涼議員) 広報蕨という広報紙を1つとっても、蕨市がどういう市なのか、どういう施策を展開しているのかというところでいうと、やはり多言語に対応するということは、今、とても大事な状況になりつつあるのかなというふうに思っていますので、ぜひ検討のほうをお願いしたいと思います。
 それから、少しお尋ねを加えていきたいのは、今、国のほうはDX推進ということで、デジタル活用ということで、自治体はさまざまな対応に追われているというふうに私は理解をしております。今、デジタル化が推進されているという中で、自治体としてどうやってデジタルに対応していくのか。
 広報の部分でも、デジタルによる広報・広聴。新しい広聴の幕あけだというふうな論説をされている方もいらっしゃいます。そういったところ、やはりいいところは活用していくべきなんだろうなというふうに思っております。
 そこで、改めて2021年度、また、2022年度から財政措置をされている地域デジタル社会推進費。これはより多くの方がデジタルの恩恵を受けられるようにということで、国が新たに創設した交付税措置がされる費用だと思っておりますが、これについての活用というのは、本市としてはどのように検討されたのか、お伺いしたいと思います。

◎総務部長  これにつきましては、実際に市のほうとしてはスマートフォンの使い方教室であるとか、こういったところで、事業者のほうがその補助金を使いながら、いわゆる無料で市民の方に教室を開いていただくというようなものがありますので、そういったものでの活用の中で対応しているというような状況でございます。

◆1番(武下涼議員) 取り組みの話はありがとうございました。
 改めてお伺いしたいんですが、こういったスマホの端末を操作する際の場で、自治体のホームページの使い方であったりとか、今、既にデジタル化されている広報が読めますよとか、そういったものも含めてセットにして、そういった勉強会がされるというのが私のほうでは望ましいなというふうに思っているんですが、実際はどういうふうに学習会の運営が行われているのか、お尋ねしたいと思います。そういったふうに働きかけながらやっているのかどうか、お尋ねしたいと思います。

◎総務部長  私も詳細までは承知していないところはあるんですけれども、基本的に本当に初心者向けといいますか、あるいは、非常に苦手意識を持たれている方、こういった方に操作の基本を知っていただくというのが今までやってきた教室であったり、講座であったりということで、新年度に予定しているものもまずはそこの部分と。ご提案のあったような内容については、その操作の中で、一例としてそういったものを入れていくということは可能なのかなというふうには考えています。

ユニバーサル・デザイン・フォントの導入について

◆1番(武下涼議員) 可能なのかなということでありました。ただ、やはりスマホを使う中で、今回強調させていただいたのは防災対策のところ。一人一人ができる防災対策の中で、どれだけの方が備えられるかということがやはり大事になってくるのではないかなと。
 そういった意味で自治体のホームページをどういうふうに活用するのか。または自治体が発信をしている情報媒体をどうやって活用するのかということはすべての人にとって恩恵のあることだと思います。
 この社会推進費については、基本的にはすべての方がデジタルにかかわって恩恵があるような取り組みがあれば、どんな事業であっても構わないということは総務省の担当者も言っておりましたので、ぜひ柔軟に拡充しながら進めていただきたいなということであります。
 最後に、ユニバーサルデザインフォントについてお話をさせていただきたいと思います。武下は本当にすごくこだわっているというふうなお話もあるかもしれませんが、重大な事件につながる可能性もあります。8と9を取り間違えて、実際に行政が謝罪をしたということもありまして、改めて本市の全体としての導入、広報も含めて、そのあたりの考えを伺って、一般質問を終わりにしたいと思います。

◎総務部長  ユニバーサルフォントにつきましては、いわゆるUDフォントですね。これにつきましては、広報紙でいきますと、来月、4月号になりますけども、これでまずお知らせ版について導入をしていくと。今までも一部は使っていたんですけれども、お知らせ版について導入をしていこうということであります。
 これによっての市民の方の反応を見ながら、本市への反映というものということで段階的に検討を続けながら、進められるものは進めていきたいというように考えています。