【一般質問 2020年6月】市の財政状況・方針、生活保障制度、蕨市立病院、行政情報の伝達方法、多文化共生

発言通告

1 本市の財政状況及び財政の方針について
(1)新型コロナウイルス感染症の影響のもとで、今後の市財政への影響をどのように想定し、どのように対応していく考えか
(2)市としてこれまで「蕨市新型コロナ緊急対策」を第1弾、第2弾と展開してきたが、今後新たな対策においてはどのような対策が必要と考えているか。また、国において、第1次補正予算での「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」は総額1兆円の交付を、第2次補正予算案では総額2兆円増額して交付する考えが示されたが、市における第1次交付金の活用状況と第2次は具体的にどのような活用を考えているのか
2 市民のいのちと暮らしを守る生活保障にかかわる制度において、市としての支援及び充実について
(1)生活保護制度について
①生活保護業務に対応する現在の体制状況、担当1人当たりの担当世帯件数の動向、研修の取り組み、福祉専門職資格(社会福祉士・精神保健福祉士等)及び社会福祉主事任用資格の取得状況はどのようか。また、体制を含めどのような課題があり、今後の方針をどのように考えているのか
②新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う厚生労働省から示された生活保護業務等における対応として、市としてどのように対応してきたのか。また、今後の方針はどのように考えているのか
③直近の相談件数、申請件数、申請辞退、保護開始、保護廃止、申請の取り下げの件数はどのようか。また、市の保護率はどのような推移か
④生活保護法第78条及び第63条の返還状況はどのようか。また、返還及び収入変更に当たっては、保護利用者の最低生活保障を考慮すべきと考えるが、市の対応はどのようか
(2)生活困窮者自立支援制度について
①生活困窮者自立支援事業(自立相談支援事業、住居確保給付金事業、家計改善支援事業、学習支援事業)の事業体制、事業実績、各事業の課題はどのように把握しているか。また、市として今後の事業展開をどのように考えているのか
②新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、厚生労働省から示された対応について、市としてどのように対応してきたのか
③市民が制度を知るためにどのような広報を行っているのか。また、市民が具体的に相談できるように「事前相談内容記入用紙」(仮称)をホームページに掲載してはどうか
(3)社会福祉協議会について
①新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、生活福祉資金貸付制度の適用拡大が行われたが、相談件数、申請件数はどのようか。また、体制状況、課題はどのようか
3 蕨市立病院の果たす役割について
(1)市立病院において新型コロナウイルス感染症の感染が確認されたが、市立病院としてこの間どのような対応・対策をしてきたのか
(2)病院経営に当たって、新型コロナによる影響はどのようか。また、地域の中核病院として今後の方針をどのように考えているのか
4 市民への行政情報の伝達方法について
(1)新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、さまざまな公共施設を閉館せざるを得ないなかで、チラシの配架等ができない状況のもと、市民に対してどのように行政情報を届けてきたのか。また、課題をどのように認識しているか
5 多文化共生社会における居住支援の取り組みについて
(1)市として不動産業界団体とどのように連携しているのか
(2)外国人向けの「蕨市生活スタートブック」(仮称)といったような広報誌の作成を検討してはどうか

登壇しての一般質問

◆1番(武下涼議員) こんにちは。日本共産党、武下 涼です。
 初めに、新型ウイルス感染症によって亡くなられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、今、療養されている方々の早期の回復を願っております。
 また、医療従事者を初め、自治体、保育、介護、障害者施設、建設現場など、感染リスクを負いながらも命と暮らしを守るため奮闘されている、生活に欠かすことのできないエッセンシャルワーカーの皆様に心から敬意を申し上げます。
 しかし、一方で、そうしたエッセンシャルワーカーの皆さんを初め、日本の働く方の38%前後が非正規雇用という深刻な実態があり、依然として雇用・待遇について課題が残されている中で、新型コロナの影響が雇用情勢を一層悪化させていることをコロナ感染拡大の影響による解雇、雇いどめが加速し始めていることなどから見てとることができます。
 また、地域の経済については、事業者の営業を守るためにも補償が欠かせません。国においては、大胆かつスピーディに、そして、継続的な補償・支援策が求められています。
 今回の一般質問では、市における新型コロナウイルス対策を今後どのように考え、そして、市民の命を守り、市民の生活を支える関連政策や制度について市の見解を伺います。
 以下、発言通告書に基づき質問いたします。
 まず、大きな1点目、本市の財政状況及び財政の方針についてです。
 まず、日本の財政の成り立ちは、国の財政があり、それから都道府県、そして市町村といった複数の財政の主体があり、特に、国の財政出動の内容によって自治体が展開できる政策にも影響を及ぼすことから、国による財政支援とその拡充は、新型コロナの影響を乗り越える上でも決定的に欠かせないものです。
 日本共産党は、国政の中で2次補正予算においては大胆な財政出動をと強く国会の場でも求めてまいりました。
 今回、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が創設されましたが、市役所機能を高めるという意味で、正規職員の増員、つまり人件費ですが、そうしたところに臨時交付金を活用できない、交付金上の性質上、やはり制限がついています。
 新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、各自治体では独自政策を展開しようとする努力がある一方で、やはり財政事情を考慮するところなど、市民や市内事業者への支援政策のあり方はさまざまです。また、財政調整基金の積立額、つまり、自治体が将来の計画や不測の事態に活用する貯金のようなものでありますが、自治体の財政力による格差がある状況です。
 頼高市長は、4月28日の臨時の記者会見の場で、市民に最も身近な基礎自治体として、「市民の健康と暮らし、市内事業者の営業を守るため、大胆かつスピーディに対応していきたい」、そのようにコメントされておりました。
 日本共産党市議団としても、市に対しては要望書という形で、市民の皆さんから寄せられた声を届けさせていただきました。
 当市議団としましても、市民の皆さんの健康と暮らし、市内事業者の方々の営業を守るための対応、支援策の継続・充実を重ねて要望するものであり、以下2点について質問いたします。
 1点目、新型コロナウイルス感染症の影響のもとで、今後の市財政への影響をどのように想定し、どのように対応していく考えか。
 2点目、市としてこれまで蕨市新型コロナ緊急対策を第1弾、第2弾と展開してきたが、今後、新たな対策においてはどのような対策が必要と考えているか。また、国において第1次補正予算で、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金は総額1兆円の交付を、第2次補正予算案では総額2兆円増額して交付する考えが示されたが、市における第1次交付金の活用状況と第2次は具体的にどのような活用を考えているのか、お尋ねいたします。
 次に、大きな2点目です。市民の命と暮らしを守る生活保障にかかわる制度において、市としての支援及び充実についてです。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、各国の雇用情勢は悪化し始め、日本においても厚生労働省が6月9日に発表した調査によれば、コロナ感染拡大の影響による解雇・雇いどめの推移は、6月5日時点の見込み数を含めて計2万933人となり、解雇・雇いどめのペースが加速している傾向との指摘があります。ただ、実際、企業からの届け出がないなどの理由で漏れているケースもあるかと考えられますから、実際の解雇・雇いどめはさらに多いという指摘もあります。
 思い起こされるのは2008年のリーマンショックです。識者によれば、リーマンショックの当時以上に「貧困拡大のスピードも規模も上回り、先の見通しが立たない」との指摘があります。
 そこで、市民の命と暮らしを守る生活保障にかかわる制度について、以下、大きく言って3点について質問いたします。
 (1)生活保護制度についてです。
 ①生活保護業務に対応する現在の体制状況、担当1人当たりの担当世帯件数の動向、研修の取り組み、福祉専門資格(社会福祉士、精神保健福祉士等)及び社会福祉主事任用資格の取得状況はどのようか。また、体制を含め、どのような課題があり、今後の方針をどのように考えているのか。
 ②新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う厚生労働省から示された生活保護業務等における対応として、市としてどのように対応してきたのか。また、今後の方針はどのように考えているのか。
 ③直近の相談件数、申請件数、申請辞退、保護開始、保護廃止、申請の取り下げの件数はどのようか。また、市の保護率はどのような推移か。
 ④生活保護法第78条及び第63条の返還状況はどのようか。また、返還及び収入変更に当たっては、保護利用者の最低生活保障を考慮すべきと考えるが、市の対応はどのようか。
 次に、生活困窮者自立支援制度についてです。
 ①生活困窮者自立支援事業(自立相談支援事業、住宅確保給付金事業、家計改善支援事業、学習支援事業)の事業体制、事業実績、各事業の課題はどのように把握しているのか。また、市として今後の事業展開をどのように考えているのか。
 ②新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、厚生労働省から示された対応について、市としてどのように対応してきたのか。
 ③市民が制度を知るために、どのような広報を行っているのか。また、市民が具体的に相談できるように「事前相談内容記入用紙(仮称)」をホームページに掲載してはどうかです。この3点目については、相談しやすい環境づくりとして、市民の方が相談窓口で相談するに当たって、前もって相談事、不安や悩みを書き出せるような記入用紙が必要ではないかという提案です。
 続いて、社会福祉協議会についてです。
 ①新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、生活福祉資金貸付制度の適用拡大が行われたが、相談件数、申請件数はどのようか。また、体制状況、課題はどのようか、お尋ねいたします。
 大きな3点目です。蕨市立病院の果たす役割についてです。
 私は、地域の中核病院として一層その役割を発揮していただきたい立場から質問いたします。
 先ほど申し上げました生活に欠かすことができないエッセンシャルワーカーとして、感染症の最前線の1つであります医療現場、医療従事者への注目が集まるとともに、医療機関の果たす役割についても注目が集まっています。
 そこで、こうした状況の中で地域医療を支える中核病院として、その役割についてどのように考えているのか、以下2点についてお伺いいたします。
 (1)市立病院において新型コロナウイルス感染症の感染が確認されたが、市立病院としてのこの間のどのような対応・対策をしてきたのか。
 (2)病院経営に当たって、新型コロナによる影響はどのようか。また、地域の中核病院としての今後の方針をどのように考えているのか、お尋ねいたします。
 次に、大きな4点目です。市民への行政情報の伝達方法についてです。
 まず、行政情報は市民の財産であります。改めて情報公開法、条例の趣旨を生かしていただきたい。そうした問題意識のもとで質問をさせていただきます。
 情報公開制度というのは、公文書開示制度、情報提供施策、情報公表制度の3つの制度・施策を合わせたものを言います。今回、私の質問テーマは、情報提供施策にかかわるものだと認識しております。
 この情報提供施策は、例えば広報紙・ホームページによる広報活動、市民の声に対する回答、報道機関への情報提供等など例示されています。
 新型コロナウイルス感染症にかかわる情報をめぐっては、医学的にも根拠のない予防策など、そういった情報がSNS上で拡散されるなどの問題があります。
 改めて公的機関による情報をしっかり市民に届ける役割が重要になってくるのではないかと考えます。
 ホームページによる広報活動は、迅速な情報提供という点ですぐれていますが、ホームページによる広報活動がすべての市民の方に届いているのか。これは国の広報活動にも同様な課題があると認識しております。
 そうした問題意識のもとで以下、質問いたします。
 (1)新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、さまざまな公共施設を閉館せざるを得ない中で、チラシの配架等ができない状況のもと、市民に対してどのように行政情報を届けてきたのか。また、課題をどのように認識しているのか。
 次に、最後の質問です。5点目、多文化共生社会における居住支援の取り組みについて、以下2点について質問いたします。
 (1)市として不動産業界団体とどのように連携しているのか。
 (2)外国人向けの「蕨市生活スタートブック(仮称)」といったような広報誌の作成を検討してはどうか、お尋ねいたします。
 以上で、登壇しての質問を終わります。
    〔総務部長 登壇〕

【答弁】総務部所管

◎総務部長  私からは、総務部所管のご質問に順次お答えいたします。
 1番目の蕨市の財政状況及び財政の方針についての1点目、新型コロナウイルス感染症の影響による今後の市財政への影響と対応につきましては、今後、経済活動の制限に伴う市税等の減収が見込まれるため、歳入の減少に見合った歳出となるよう予算を編成するとともに、これまで以上に各事業の優先順位を選択し、業務の合理化・効率化を図る必要があると考えております。
 一方で、今後も市民生活や経済などへの影響が懸念されますので、市民の皆さんの健康と暮らし、市内企業の営業を守るため、感染拡大の防止や地域経済、住民生活の支援など、状況に応じて対応していく必要があると考えておりおります。
 次に、2点目の市としてこれまで蕨市新型コロナ緊急対策を第1弾、第2弾と展開してきたが、今後どのような対策が必要と考えているかにつきましては、これまで市では市民と市内事業者を守り、また、子育て世帯や子どもたちを支援するための取り組みについて市民の皆様の声を踏まえながら、日本一小さな本市ならではのスピードで、緊急対策の第1弾、第2弾を打ち出してまいりましたが、今後も引き続き市民の皆さんの声を聞きながら、この緊急事態において市としてでき得る対策について全庁的に検討し、迅速に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の第1次の活用状況と第2次の活用予定につきましては、現在、国へ提出している第1次の実施計画におきまして交付限度額約1億8,411万円に対し、蕨市新型コロナ緊急対策第1弾に掲げた事業として約2億7,483万円を計上しており、本市緊急対策第1弾の事業の財源に充当してまいりたいと考えております。
 第2次分の活用につきましては、第1次分における事業実績や今後示される本市の交付限度額等を勘案しつつ、この緊急事態に対応するため、真に有効な事業へ活用を図ってまいりたいと存じます。
 次に、4番目、市民への行政情報の伝達方法についての1点目、公共施設が閉館し、チラシの配架等ができない状況のもと、市民に対してどのように行政情報を届けたのかについてでありますが、行政情報につきましては、通常、広報紙や市ホームページ、ケーブルテレビなどを通じて市民の皆さんにお届けするとともに、それぞれの事業で必要に応じて、対象者への案内や公共施設への掲示・配架など、さまざまな手段を講じながら、その周知に努めているところであります。
 また、全国的な新型コロナウイルス感染拡大を受け、この間、さらに迅速で充実した情報提供を目指して、市ホームページやケーブルテレビで随時情報を発信してきたほか、ヤフー株式会社が提供するヤフー防災情報を活用した情報発信も行ってまいりました。
 一方、課題につきましては、感染拡大防止の観点から公民館等が休館となるなど、インターネットを利用できない方にとっての情報取得に一部制約が生じた側面も考えられることから、この点については、今後関係部署と連携を図りながら調査・研究を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
    〔健康福祉部長 登壇〕

【答弁】健康福祉部所管

◎根津賢治 健康福祉部長  私からは、健康福祉部所管のご質問にご答弁申し上げます。
 2番目、市民の命と暮らしを守る生活保障にかかわる制度において、市としての支援及び充実についての(1)生活保護制度についての1点目につきましては、生活保護業務に対応する現在の体制状況は、課長を初め、保護担当が査察指導員2人、ケースワーカー12人、面接相談員1人、適正化支援員1人、自立支援相談員3人、庶務経理係が3人となっております。
 ケースワーカー1人当たりの担当世帯件数の動向ですが、平成30年、31年、令和2年の各年4月1日現在で、すべて平均104世帯で推移しております。
 研修の取り組みにつきましては、主に県などが開催する研修に積極的に参加しており、さらに課内におきましては月2回さまざまな事例や困難事案について事例事務検討会議を実施しております。
 また、社会福祉士や精神保健福祉士など、福祉専門職及び社会福祉主事任用資格の取得状況でありますが、査察指導員及びケースワーカーの全員が社会福祉士主事任用資格を有しており、うちケースワーカー2人は、社会福祉士の資格を有する福祉職として配置されております。
 なお、体制におきましては、ケースワーカーの配置が国基準を下回っていることは認識しておりますが、課長並びに2人の査察指導員はケースワーカーの経験もあり、処遇困難事例等については日ごろから組織的な検討を行うなど、適切に生活保護業務に取り組んでいるところでございます。
 次に、2点目、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う厚生労働省から示された生活保護業務等における対応等につきましては、緊急事態宣言後の令和2年4月7日付厚生労働省事務連絡に基づき、訪問調査活動は、緊急対応等最低限必要なもののみとしたほか、面接相談の時間短縮、保護費口座支払いへの移行などを実施してまいりました。
 緊急事態宣言が解除された後の令和2年5月26日付厚生労働省事務連絡に基づき、6月1日からは訪問調査活動を再開しましたが、引き続き面接に関しては、対人距離を確保した上でマスクを着用する等、感染リスクを最小限にするよう配慮した上で実施しております。
 次に、3点目の直近の相談件数、申請件数、申請の取り下げ、保護開始、保護廃止の件数につきましては、令和2年4月末の速報値でございますが、相談件数が24件、申請件数が18件、申請取り下げが4件、保護開始が17件、保護廃止が14件となっております。また、平成30年度末と令和元年度末の保護率の比較につきましては、平成30年度末が2.02%、令和元年度末が2.0%となっております。
 次に、4点目の生活保護法第78条及び第63条の返還状況につきましては、令和元年度は集計中のためお答えできませんが、平成30年度の返還状況といたしましては、第78条徴収金が740万8,105円、第63条返還金が2,661万9,091円となっております。
 また、返還及び収入の変更に当たっては、保護利用者の最低生活保障を考慮すべきと考えるが、市の対応はどのようかにつきましては、生活保護は法定受託事務であり、生活保護法第8条において、保護の基準は年齢や世帯構成、所在地域に応じて決められ、最低限度の生活需要を満たすのに十分なものであり、かつこれを越えないものとされております。返還金が生じる原因は個々で異なりますが、今後も受給者へ収入申告義務などの説明を徹底し、適正な保護の実施に努めてまいりたいと考えております。
 次に、(2)生活困窮者自立支援制度についての1点目、事業体制、事業実績、各事業の課題の把握と今後の事業展開についてですが、自立相談支援事業、住居確保給付金、家計改善支援事業については、職員が相談窓口を定期的に訪問し、事業体制や事業実績の把握に努めており、必要に応じて相談支援員に助言や指示をしております。
 事業に課題が生じた場合は、随時、委託先である蕨市社会福祉協議会と協議を行い、課題解決に向けた連携を図っています。
 また、学習支援事業については、毎月事業実績や利用者個別の支援状況の報告を受けており、常に実施状況の把握に努めております。
 今後の事業展開につきましては、各事業の利用が必要とされる方を早期に支援につなげるために、福祉、就労、教育等の関係機関と連携したアウトリーチの強化に努めていきたいと考えております。
 次に、2点目、厚生労働省から示された通知に基づく市の対応についてですが、自立相談支援事業については、手指消毒、せきエチケットを励行するとともに、3つの密を避けるため、相談については電話による対応をなるべく活用し、対面での相談対応を行う必要がある場合は予約制とし、換気のよい場所で距離を置いて相談を行い、相談者同士の接触の回避に努めています。
 また、申請件数が大幅に増加している住居確保給付金の申請につきましては、ホームページにて郵送による申請をお願いしているところでございます。
 学習支援事業については、週2回実施していた学習教室や訪問支援を3月以降中止し、利用者やその保護者に対して学習支援員が電話による近況把握や助言・指導等を行ってまいりました。
 次に、3点目、市民が制度を知るための広報及び事前相談内容記入用紙(仮称)のホームページ掲載についてでですが、自立相談支援事業の相談窓口の周知として、広報紙やホームページで周知しているほか、リーフレットを公共施設、ハローワーク、保健所などの関係機関やネットカフェ、不動産会社、医療機関等に配布しており、さらに年2回、町会回覧にて周知を図っております。
 また、蕨市生活自立相談支援センターでは、相談されたいことなどを具体的にご記入いただく「相談受付・申込票」を用意しており、ご提案の事前相談内容記入用紙のホームページ掲載につきましては、委託先である蕨市社会福祉協議会と研究してまいります。
 次に、(3)社会福祉協議会についての生活福祉資金貸付制度の適用拡大に伴う相談件数、申請件数につきましては、実施している蕨市社会福祉協議会に確認したところ、主に利用されている緊急小口資金について受付開始日の3月25日から5月末日までの相談件数は390件であり、そのうち申請受理した件数は288件であります。
 また、体制及び課題につきましては、蕨市社会福祉協議会の主に地域福祉課職員が対応に当たっており、相談内容の聞き取りに1件につき1時間程度かかることや、郵送申請された書類に不備が多いことなどから、相談から振り込みまでに時間を要していることが課題と聞いております。
    〔田谷信行病院事務局長 登壇〕

【答弁】市立病院

◎病院事務局長  私からは、市立病院に関する2点のご質問についてご答弁申し上げます。
 初めに、3番目の1点目、当院における新型コロナウイルス感染症の感染が確認されたことへの対応・対策についてでありますが、4月9日及び10日に2階病棟助産師2名の感染が判明したことに伴い、速やかな院内消毒を初め、入院患者を11日までに退院、または希望による転院の措置を講じるとともに、2階産科病棟の休止と産婦人科外来の産科業務を停止いたしました。また、南部保健所と連携し、医師や病棟職員、退院患者などに対してPCR検査を実施し、その結果、71名中、新たな母子2名の感染が確認されたことから、15日より新規の外来と救急患者の受け入れを停止いたしました。
 その後、症状を訴える職員はなく、新たな感染者も発生しなかったことから、改めて専門業者による院内の消毒を行った上で、4月22日から病棟外来及び救急患者の受け入れを通常どおり再開いたしました。
 なお、再開後は、感染防止対策をより強化し、正面玄関入り口での非接触型体温計による検温と問診の実施や、発熱者等に対する専用の診察室を設置したほか、入院時におけるPCR検査の実施など、新たな感染者を出さないための対策を行っております。
 次に、2点目の新型コロナウイルスが病院経営に与えた影響と地域の中核病院としての今後の方針についてでありますが、新型コロナウイルス感染拡大により全国約8割の医療機関で患者さんの受診控えなどから収益にも影響が出ていると言われており、当院においては、加えて新型コロナウイルス感染が発生したことが大きく影響し、4月、5月の患者数は昨年に比べ、入院、外来ともに約4割減少しています。
 こうした中、新型コロナウイルスの第2波が危惧されておりますが、当院といたしましては、引き続き感染予防対策を講じながら、新型コロナウイルス感染への対応を初め、安全・安心な医療の提供などに取り組むとともに、5月には内科の常勤医師1名を確保するなど、継続的な病院経営の努力を行いながら地域医療の拠点としての役割を果たしてまいりたいと考えております。
    〔市民生活部長 登壇〕

【答弁】市民生活部所管

◎市民生活部長  私からは、市民生活部所管のご質問にご答弁申し上げます。
 5番目の多文化共生社会における居住支援の取り組みについての1点目、不動産業界団体との連携についてでありますが、本市では「コンパクトシティ蕨」将来ビジョン後期実現計画において、国籍や文化、習慣、言語などの違いを超え、ともに豊かに生きることができる多文化共生のまちを目指し、外国人住民への支援に取り組んでおります。
 そうした中、不動産業界団体との連携として、埼玉県宅地建物取引業協会南彩支部には、住まい探しの際に町会加入を促すチラシの配布にご協力をいただいているところであります。
 次に、2点目、「生活スタートブック」の作成を検討してはどうかについてでありますが、本市では転入手続に来庁された外国人住民に市民課窓口において「ごみの出し方・持ち出し方」や「救急車利用ガイド」「日本語ボランティア教室」など市民生活に役立つ案内チラシを配布しているほか、福祉や年金、医療、子育てなど、日本で生活するために必要となる情報については、出入国在留管理庁が監修し、やさしい日本語でまとめた「生活・仕事ガイドブック」を転入セットとしてあわせて配布し、蕨市で安心して生活を始められるよう支援しているところであります。
 今後も外国人住民が蕨市での生活を始めるに当たり、必要となる情報提供のあり方につきましては、ご提案の内容を含め、調査・研究してまいりたいと考えております。

再質問

本市の財政状況及び財政の方針について

武下議員、市長へ質問

◆1番(武下涼議員) ご答弁いただきありがとうございます。
 順次、通告書に基づいてご質問、ご見解を伺いたいと思います。
 財政のところなんですが、改めて影響が想定されるということでお話がありました。そうした状況にあることは認識したんですけども、これまで市として緊急対策を行ってきて、市として財政調整基金を取り崩して、支援が必要な状況にある市民の方へ早急な早期の財政出動という観点から支援策を講じてきたというのは大変重要な自治体としての役割だと思います。そうした観点で、引き続き市民に寄り添う対応だったり、支援の継続をお願いしたいというところであります。
 国の第2次補正予算のほうで具体化がどういうふうにされるのかというのは多分これから明らかになってくるというところなので、引き続き活用できるものは活用していただきたいということで強くお願いいたしたいというところであります。
 ここで、この財政、やはり市全体にかかわることですので、改めて頼高市長にコロナ禍における市の役割、そして、今後の支援策との関係で市財政などの考え方、ご見解を伺いたいと思います。お願いします。
    〔頼高英雄市長 登壇〕

◎頼高英雄 市長  コロナ対策の基本的な考え方ということですけれども、改めて言うまでもなく、今回の新型コロナウイルス感染症の拡大の影響というのは、これは世界、そして日本、市民生活、そして、経済、大変深刻かつ長期にわたっているという状況です。
 そういう中で、市民に身近な基礎自治体である蕨の市長として、市民の健康や暮らし、市内の事業所の営業を守るために最大限の努力をしようということで、1弾、2弾にわたる独自の新型コロナ緊急対策も策定し、取り組んできているという状況です。
 その考え方なんですが、影響は多方面にわたっているわけですけれども、第1弾では、その中でもやはり経済への影響は深刻、市内事業所への影響は深刻だと。しかも、国の持続給付金等が行き渡るのは相当時間もかかることも想定されるという中で、独自の小規模企業者応援金をつくって、これをなるべくスピーディに対応しようということで取り組んでまいりました。
 また、市民生活への影響も大変深刻なんですが、特に影響が大きいと考えられたひとり親家庭だとか、妊娠中の方とか、あるいは就学援助を受けている方、あるいは保育園、学童保育等利用される方々に対しても、それぞれ独自の支援というものも行い、そして、もう1つ影響の大きい医療、感染防止という点でいうと、地元医療機関に対する防護品等の支援なども行ってきたというところです。
 その後、緊急事態宣言も延長されて、そして、影響はさらに長期化していくという中で、第2弾の考えとしては、より多くの市民の方々への支援が必要だろうということで、水道料金の基本料金2カ月分の無料化を実施したり、あるいは教育については第1弾での学習ブックの配布、そして、第2弾ではオンライン学習も見据えてのパソコン整備の前倒しといったことも行ってまいりました。
 これは急を要するということで、財政調整基金を活用して行ってきたわけですが、先ほど部長が答弁したように、国の第1次補正予算の地方創生の交付金については、4月からの分にさかのぼって適用できるということでありますので、それを既に計画として出させていただいて最大限活用していきたいと思っております。
 今後の第2次の補正、2兆円というものについてどういう形の配分になるかというのはまだわかりませんけれども、こうしたものも最大限活用していきたいというふうに思っておりますし、来年度以降の財政は、経済の回復が相当時間がかかると言われておりますので、これは少なからぬいろんな影響があるだろうというふうに思っておりますけれども、今はまさに百年に一度と言われている危機ですから、こうした必要なところに思い切った支援をしていく。同時に、市長として来年度以降の行財政運営にもしっかり責任を負っていくと。
 これについては蕨だけでなくて、全国が置かれている状況が深刻なわけですから、国においてどういう地方財政計画や支援制度をとられるかということも含めて、あるいは税収への影響もどの程度になるかというのは、まだ今の時点では見通せないところありますけれど、この点はしっかり周知しながら、必要な支援に思い切って取り組みながら、来年度以降の行財政運営をしっかり責任を負う、そこを両立をさせるべく今後もしっかり対応していきたいというふうに考えています。

市民のいのちと暮らしを守る生活保障にかかわる制度において、市としての支援及び充実について

◆1番(武下涼議員) ありがとうございます。
 私も市内で事業されている方の声や状況についてお話を伺ったこともございました。売り上げはやっぱり半分以下に激減したところもありましたし、イベントが中心になったことによって、商品を加工するような事業所ですとかは、そのイベントがなくなったことによって、話によれば1億円規模の仕事があったという話だったんですけど、それもなくなってしまったということで大変厳しい状況が市内の中での状況としては起きているんだなということもありまして、引き続き市として全力を挙げて支援をしていただきたいということで、強く重ねて要望させていただきたいと思います。
 次の質問に移りまして、生活保障にかかわる支援策、制度についてというところであります。
 まず、生活保護なんですけれども、生存にかかわるナショナルミニマムを確保するため全国一律に公平・平等に行う事務ということで、国が本来果たすべき役割を法定受託事務として市町村が実施機関として主体的に保護の実施を行っていくというものであります。
 適正な保護の実施を行うために、制度利用者の生活の維持だったり、向上、そのほかの保護の目的や支援、要保護者の求めがある際の自立助長のための支援・助言、この辺も大変重要だというふうに認識しております。
 その上で、こうした法の法令遵守という観点からもケースワーカーの定数、これは標準数とも言われていますけども、この定数、実は、充足率とも言いますけども、全国的に満たせていない自治体が大変多くある。このこと自体は大変課題のあることだと認識しております。
 本市においてもやはりこの充足率を早期に満たす必要があると考えますが、市の見解、まず健康福祉部長のほうからご答弁をいただきたいんですけれども、あわせてケースワーカーの定数、いわゆる充足数、標準数といいますか、どういう観点でこの定数が示されているのかもあわせてお示しいただけたらと思います。よろしくお願いします。

◎健康福祉部長  登壇でも申し上げましたとおり、繰り返しになりますが、今の課長、あと査察指導員、ケースワーカーの経験もございまして、困難事例等についても日ごろから検討会議を重ねて、現在、適切に支障なく業務に取り組んでいるという状況でございます。
 また、ケースワーカーの定数ということでございますけれども、社会福祉法第16条でしょうか。こちらにケースワーカーの標準数ということで示されているという認識でございます。

◆1番(武下涼議員) ありがとうございます。
 参考までにお話をさせていただきたいと思いますが、法律の趣旨は変わってくるのと法律自体が違うということはあるんですけども、医療法という法律の中に標準という項目があります。標準数を満たさない、いわゆる標欠医療機関は、医療法に反することになる。医療という観点から手厚い配置の必要性の中で、こうした法律が定められたというふうに私は認識をしているところであります。
 その上で、総務部長にご見解を伺いたいんですけども、行財政運営という課題があることは認識をします。また、行政需要の増大だったり、変化だったり、財政運営の状況、いわゆる適切な定員管理ということが市として課せられていることも認識をしております。
 しかし、社会福祉法の16条、要請する法の趣旨との関係では、このあたりどのように考えているのか、ご見解をいただきたいところであります。
 そうした法律の主旨を踏まえて対応を強く要望したいというところなんです。
 あわせて、コロナ第1波の影響、今、第2波の話が出ていますけども、第1波の経済的な影響がやはり懸念されるところであります。
 既に社会経済に影響を与えてきているリーマンショック時を振り返ると、やはり非正規雇用の方の解雇や派遣切りがあったというふうに記憶しておりまして、本市においても生活保護職場、人員を増員してきた、そういった対応がとられてきたことも理解はしております。
 そうした状況を踏まえると、市としてコロナ第1波の影響に備えるという意味で、市民の生活を守る体制、それが重要だというふうに考えておりまして、総務部として、人員ですかね、配置のところについてどのようにお考えなのか、お聞かせください。

◎総務部長  まず、社会福祉法の第16条、標準の人数ということが定数ということで定められているということでありますけれども、これにつきましては、今議員のほうからもお話がありましたように、財源の問題であるとか、それから組織全体、今さまざまな行政需要が増大している中での対応と、これらに一つ一つ対応していかなければいけないということがありますので、いわゆるそういった全体的なバランス等を見ながら職員配置というのは考えていかなければならないという状況に置かれ続けているということであります。
 したがいまして、現実にいろいろな備えであるとか、想定の範囲の中で職員配置について一定の強化、増をしていくということは非常に難しいというふうに認識しております。
 しかしながら、さまざまな行政需要というのが出てまいりますので、そういった変化に対応できるようにならなければならないということは認識しておりますけれども、これにつきましては、そういった行財政運営の状況を踏まえながら、それぞれ適切に職員配置を判断していかざるを得ないかなと、このように考えております。

◆1番(武下涼議員) ご答弁ありがとうございます。
 そもそも国の責任のもとで、生活保護は運営されなければならない、その責任のもとでやらなければならないというところで、国の財政補助というところにも課題があるというふうには認識しております。
 そもそも国の標準定数ということ自体が課題があるということで、法定定数であれば法定に沿ってしっかり強制力も働く形で影響あるんだろうというふうに、その点については各種法律家団体のほうでも指摘をされているというところであります。
 ただ、その上で、やはり人員のことについては大事だなというふうに認識をしておりまして、少し参考を例示させていただきたいと思いますが、小田原ジャンパー事件というものが2018年にあったということは多分ほとんどの方が認識されていることではないかと思います。その中で、市の行政委員会として生活保護行政あり方検討委員会というものが2018年に発足しまして、報告書がまとめられたと。その報告書の第3章に、開かれた生活保護行政に向けた改善策の提案という項目がありました。その中では組織の中においてケースワーカーがどういう位置に置かれ、他部局が支援する観点はどうであったかなど触れられています。
 1つ目としては、利用者の権利という点で、ケースワーカーがどのような対処をしていくのか、そういったことですとか、組織としてどう接していくのか。2つ目に、ケースワーカーの置かれている状況を組織的問題を含めてどのように改善していくのか。この観点で報告書は改善策を提案しているということでありました。
 少し報告書の抜粋なんですけども、ワーカーの援助の専門性を高める研修や連携による学びの場、外部専門家による制度の公的支援の研修ですとか、利用者の視点に立った生活保護行政、業務の見直し、法テラスなど、場合によっては法的支援も必要だということで、こうしたあらゆる取り組みが必要だということでその報告書には書いてあります。
 一方で、ケースワーカーの専門性というところで言えば、支援の現場というのは大変複雑な場だというふうに認識しておりまして、やはりケースワーカー自身の業務の状況だったり、ケースワーカーが抱える心理的な、精神的な課題とかもやはりありまして、その報告書の中では、それをどうやって克服していくのかということが詳細に語られているというところであります。
 この報告書は、小田原ジャンパーの事件が発覚して以降、行政の委員会として報告書をまとめたということで、行政の委員会がまとめた報告書という点でいえば、やはり参考になる点が多くあるかと思います。そういったことをほかの自治体の評価も生かしながら、ぜひ本市においては引き続き市民の生活を守る立場で生活保護行政に当たっていただきたいということで要望するところであります。
 ところで、ケースワーカーの専門性を確保するという観点で、県等の研修会というお話がございました。一体どのような形で県の研修会というのはされているのか、少しお聞きしたいと思います。
 私自身、問題意識としましては、ケースワーカーというのは対人支援の現場ということ、対人援助の技術ということもありまして、簡単に言えばコミュニケーションスキルというのでしょうか。そういったことをやはり技術の習得、そして、発展に努めていただきたいという思いがあります。
 例えば行政全般に求められている話だとございますが、やはりやさしい日本語、これは通常、外国人の方への支援策とのかかわりの中で、このやさしい日本語というのは使われていますが、やはり外国の方、日本の方にとっても同様に行政用語は聞きなれない部分もございます。
 ぜひ対人援助の向上ですとか、やさしい日本語という観点で取り組んでいただきたいと要望するんですけども、そのあたりの考えお答えいただけますでしょうか。

◎健康福祉部長  まず、県等の研修会でございますけども、新任ケースワーカー研修会や管理者研修会ということがあります。対人関係というのは議員のお話もありましたけど、面接相談員の研修会だったり、あと階層や担当別による研修などがございます。
 本市においても月2回の事例事務検討会議をやっておりまして、共通の認識で事務が行えるような体制づくりをしております。
 それから、やさしい日本語というようなお話もございましたけども、議員がおっしゃるように、行政用語は聞きなれない言葉がいっぱいあります。生活保護制度も複雑な制度ということでございますので、例えば外国人の方にもわかりやすい言葉に置きかえて説明するなど、説明には配慮していきたいと考えております。

◆1番(武下涼議員) ありがとうございます。
 少し質問進みますけども、厚生労働省から通知等が出されまして、生活保護の業務等における対応が変化というか、弾力的な運用をするようにという指示が出されたということで、例えば生活保護を申請した場合の面接、申請してからの面接なんですが、面接の時間を長時間に及ばないような指示であったり出されていたと思いますけども、市としてもそういった認識で面接のほう、申請についてもそういうふうな対応がされたのかどうか、少し確認したいと思います。

◎健康福祉部長  4月7日付の厚労省の事務連絡において申請相談に当たっての考え方ということが示されています。こちらにおきましては、保護の申請意思を確認した上で、申請意思のある方に対しては生活保護の要否判定に必要な情報のみを聴取することとし、そのほかの面接時の適切な対応につきましては後日電話等により聞き取る等、面接時間が長時間にならないよう工夫し、また、対人距離を確保した上でマスクを着用する等、感染リスクを最小限にするようにといった通知がございまして、市といたしましてもこのような対応を図ったところでございます。

◆1番(武下涼議員) ありがとうございます。確認の意味で少し質問させていただきました。
 少し懸念しているところなんでございますが、ケースワーカーによる被保護者への訪問、これは新型コロナの感染拡大防止の観点から、厚労省から訪問を控えるようにという通知が出ていたというお話でありました。
 ただ、一言で被保護者や生活保護利用者といっても、利用者の方々一人一人の状況は違うということもありまして、訪問を控えることによって何か影響が出なかったかどうか、そのあたりはやはり心配するところであります。
 例えば市として訪問にかわるような対応、想定されるのは電話であったり、ただし、電話がないところももちろんあるわけでございまして、そのあたりのことをどのような形で市としては支援をしてきたのか、少しお尋ねしたいと思います。

◎健康福祉部長  緊急事態宣言中に訪問予定だった家庭につきましては、電話での生活状況の確認を基本的には電話で行ってきたと。ただ、緊急事態とか、電話がつながらないといった場合におきましては、実地に訪問して、感染のリスクを抑えながら訪問して対応してきたというところでございます。

◆1番(武下涼議員) ありがとうございます。そういった対応がとられてきたということは認識をいたしました。
 少し関連するといいますか、ちょっと質問になるんですけども、ところでというところなんですが、通常、生活保護利用者の方のところへ訪問する際、ケースワーカーが訪問するというところでありますが、例えば2人で訪問する場合はどのようなケースがあるのかということをお尋ねしたいと思います。
 もう1つ、利用者、男性であるとか、女性であるとか、そういった方がいらっしゃるということなんですけども、単身女性への訪問、この利用者の方の訪問はどのように配慮しているのか、少しお尋ねいたします。

◎健康福祉部長  訪問する場合、基本的にはケースワーカー1人で訪問しているんですけれども、安否確認だとか、安全確保が必要な場合なんかは査察指導員、あと関係機関の職員が同行するというような複数の体制をとるといったことでございます。ケースワーカーは今、生活支援課には2人いるわけですけれども、特段女性、男性というような区分はしていないという状況でございます。

◆1番(武下涼議員) 区分はしていないということなんですけども、それは特にそういうところで配慮しているということではないという、そういう理解でよろしいのでしょうか。

◎健康福祉部長  そのとおりです。

◆1番(武下涼議員) 少し紹介させていただきたいんですが、小田原市の報告書の中に改善策という項目がありまして、利用者に寄り添いケースワーカーが職務に専念できる体制づくりという中にありまして、業務のあり方と連動した職員配置の偏在化という言葉で使われていますけども、見直しについて言及をされているところなんです。
 小田原市では、ちょっと紹介しますけども、生活保護業務に従事する女性職員の比率が非常に少ない。これは利用者へのまなざしと連動している。これはあくまでも小田原市での話ですけれども、配属希望についてのアンケート結果では、6割以上の職員が生活保護の業務を望まないとしており、市役所全体としてみんなが異動したいと思える職場、女性もちゃんとそこで働いて、また、働きたいと思える職場を掲げ、全庁的な課題として位置づけていく必要があると、そういったようなお話がございました。
 少し関連してお話しさせていただきたいというか、質問させていただきたいんですが、近年ではDV相談窓口が開設されるなど、社会の状況を反映しまして、こうした窓口が設置されるようになりました。配偶者からのDVということなんですけども、その被害者は性別を問わないというのが状況であります。
 男性DV被害者も増加傾向ということで、統計上あらわれておりまして、ただしかし依然としてDV被害者としての女性の被害、相談件数、統計上から見て相当な件数という状況なんです。
 DV被害者の方が、例えば蕨市に転居してくることも想定されます。場合によっては生活保護へつなぐケースも考えられるということで、その際にやはり女性のケースであれば、心身の健康に困難を抱えているケース、いわゆるPTSD、心的外傷後ストレス障害を発症することも考えられます。
 この場合、女性の被害者であればやはり女性ケースワーカーによる援助が必要ではないか、重要ではないかというふうに思うんですけども、市の見解をお尋ねします。
 あわせて女性ケースワーカーの配置、これ具体的にどのようになっているのかということ、また、DVケースの場合、生活保護へとつなぐ際にどのような対応をしているのか、想定しているのか、お尋ねします。

◎健康福祉部長  女性のケースワーカーは2人配置しております。DVケースというお話でしたけども、DVのケースが生活保護へつなぐ際には市民活動推進室を通じて生活支援課のほうに連絡があると。その際には、現状では輪番でケースワーカーが担当しているということで、女性の被害者には必ず女性のワーカーがつくといったような現状では対応してはおらないというところでございます。

◆1番(武下涼議員) 引き続きやはりそういったケースがあるということですとか、専門性が問われるところもありますので、そういったところでの配慮といいますか、方向性というのをやはり市として確立していただきたいというふうに要望します。
 その上で、生活保護の職場というのがなかなか専門性もあり、困難な部分もやっぱりあると思います。私自身やはり1人100世帯というのが仕事上想像できないということもありまして、元東京都特別区のケースワーカーに話を聞いてみました。その方は査察指導員という、いわゆるベテランの職員さんでありましたけども、最高で110世帯を持っていたということでありました。ベテランであってもやはり100ケース以上超える担当というのは、保護費の計算ですとか、日々の計算、就労支援だったり、記録だったり、そういったところでなかなか仕事が膨大になって、正直なところ、相談者の声に寄り添うことが本当に困難になるという場面もあるというふうなお話も伺っています。
 そういった意味では、健康福祉部もそうなんですけども、総務部のほうでもやはりそうした配慮ですとか、確実な支援、市民の生活を守るための支援というところでぜひ検討いただきたいというふうに思います。
 続いて、コロナの状況でやはり経済の不安定化によって申請件数もふえると想定されますが、市としてどのように、先ほどの繰り返しになるかもしれませんが、やはり想定する必要があるんじゃないかという問題意識がありまして、そのあたりの見解を伺いたいと思います。

◎健康福祉部長  保護率の推移を見てみますと、4月1日現在で2.0%ということで、下がってきているといった状況でございます。
 現状では生活福祉資金貸付なんかは急増しているといった状況でございますが、生活保護業務につきましては、今のメンバーで適切にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。

◆1番(武下涼議員) 引き続きケースワーカーの件については取り上げさせていただきたいと思います。
 その上で、小田原市では不正受給が起こりにくい援助が必要だという観点から、生活保護のしおりを見やすくするということで、文字も大きくしたり、例えばユニバーサルフォントのような形で工夫をしていたりすることもあります。
 そういう意味では、本市のしおりも比較させていただきましたが、やはり少し改善する必要があるんではないかと思っております。その点についてちょっとご見解を伺えればと思います。

◎健康福祉部長  小田原市の生活保護のしおりを見ていないんですけども、本市のしおりにつきましても比較的大きなフォントで、易しい形でつくっているという状況であるということで認識しております。

武下議員、市長へ質問

◆1番(武下涼議員) 例えば読み仮名を振るですとか、そういったところの配慮が必要なんではないかというところで要望いたします。
 それで、やはり今回の生活自立支援制度もそうですけども、社会福祉協議会も含めて、生活困窮の場で、その役割の発揮がますます求められているというところもありますし、あわせて生活保護のところにもその役割の発揮が求められているところであります。
 最後に、市民の命と暮らしを守る制度としての生活保護制度、こうした生活補助にかかわる人員体制や、私は拡充が必要と認識しておりまして、そこで頼高市長に、先ほど申し上げた点につきまして体制の問題とかも含めましてですけれども、見解をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

◎頼高英雄 市長  新型コロナの影響が非常に深刻かつ多方面にわたる中で、生活保護については先ほど部長が答弁したように、まだ顕著な変化はありませんけれども、リーマンショックのときを見ても、実際影響が出てくるのはそれより少し後からということもありますので、今の厳しい暮らしの状況を考えれば、その辺もしっかり対応していく必要があるのかなというふうに基本的には思っています。
 生活保護制度は改めて言うまでもなく、憲法25条で保障された生存権を保障する国のセーフティネットの制度でありまして、自治体としては法定受託事務ということで、法に基づいてしっかりと必要な人には支援が受けられるように、また、その自立を助長できるように取り組んでいくということが重要です。
 これについては法定受託事務でありながら、従前国庫補助率10分の8の時代がずっとあったわけですが、今、10分の7.5というふうになっていまして、全国市長会等でも、これは国の制度なんだから、もちろん交付税措置があるんですけれども、直接的に補助率を引き上げるべきではないかということも要望させていただいております。
 そういう中で、現実的な市政運営の中では、やはりこの生活保護に係る体制はそれでもこの間、人数的には相当ふやしてきました。リーマンショック後で言えば平成21年、いわゆる全体で担当する職員は、これは査察指導員とか全部含めて9名だったものが25年度から独立して生活支援課として生活保護を担当する部署をつくって、現在は18名体制ということであります。
 市全体の職員体制は、実はその中から、その当時と比べても増員せずに対応してきている中で、ここはもちろん配置基準との関係ではまだ満たしていないのは承知しているんですが、その中でも今の限られた財政状況の中で精いっぱいの体制を組んで、何よりも業務がきちっと行われるように、例えば訪問調査の件数等も統計で出ていますので、そうしたものも従前と比べると随分改善をしてきております。
 そうした点では、今後もちろん住宅給付の支援の制度であったりいろんな制度、多重的な制度がありますけれども、そういう中で生活保障をしっかりしていくという意味で、担当職員はもちろん、全市的にここはしっかり市民の命を守るという観点から対応はしていく必要があると、そこは私どもでもちゃんと目を配っていきたいなというふうに思っています。

蕨市立病院の果たす役割について

◆1番(武下涼議員) 引き続きよろしくお願いします。
 続きまして、蕨市立病院の果たす役割についてお伺いいたします。先ほどの答弁で、コロナの感染が確認された以降、迅速な対応をとる必要があったということもありまして、病院としては迅速な対応の中で、大変スタッフも含め、力を合わせてやってきたというふうに私は認識をしておりまして、そのあたり病院としてどのように考えているのかということでありますし、もう1点目は、少しまとめて言います。少し懸念しているのが、新聞報道で蕨市の感染が確認されたということで、コロナ、あっという間に報道が伝わってしまうということでした。蕨市がその後、対策を講じたにもかかわらず、その情報がひとり歩きしているということもありまして、市民の関心事としてはやはり安全で安心な病院なんだという認識が必要ということもありまして、そのあたりの広報をどのようにやっているのか、お尋ねいたします。

◎病院事務局長  1点目の対応として、迅速に行われてきたかどうかということで、どのように考えているかでございます。市立病院でも院内のほうで2階病棟、産科病棟のほうで感染が確認されました。近隣の医療機関におきましても感染がやっぱり発生してございまして、公表されている人数は、1つの病院ですと、医療従事者や患者さんを合わせると11人、もう1つの病院ですと19人というような形になってございます。
 そういったところを考えますと、市立病院の4人という数字でとめることができたということは、比較的短時間で安全が確認され、通常どおり業務が再開できたということは非常によかったのかなというふうに思っておるところでございます。
 初動という点におきまして1例目の感染が発生したときに、そのことをしっかり受けとめてきたと。そのことで落ちついて、あとは患者さんの安全のために何ができるか、また、感染が続いた場合どういう対応をしていこうかと。そういったところを医師や看護師を初めとする医療スタッフで話し合いまして、それぞれの役割の中で感染の公表であったり、また、入院患者さんへの説明、院内の消毒など、そういった部分は取り組んできたことが4人という結果につながったのではないかというふうに考えてございます。
 2点目の広報という部分でございますが、感染が発生したという事実を迅速かつ正確にお伝えしていくということが新型コロナウイルス感染拡大の時期の中で、やはり患者さん初め、市民の皆さんにお伝えしていくということが安全という点でも大変重要であると考えておりました。
 そうした考えの中で、感染が判明した場合、すぐに判明の内容とその対応、また再開につきまして市のホームページや病院のページというのもございますので、そちらのほうでも公表させていただきました。そのほか院内での掲示のほか、広報蕨などでも周知を行ってまいりました。
 以上でございます。

市民への行政情報の伝達方法について

◆1番(武下涼議員) ありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたしたいと思います。
 4点目の市民への行政情報の伝達方法についてということで、インターネットにやはり課題があるという認識が示されました。
 改めて、情報を知らない、制度を知らない市民をつくらないという観点で、ぜひ行政の推進をしていただきたいということです。
 ちょっと商工関係のことで制度がつくられたということで、どのようにこの間、周知してきたのか教えていただけたらと思います。

◎市民生活部長  商工関係ということで、こちらでは小規模企業者応援金の情報を発信しているわけでございますけども、こちらについては、まず広報蕨でございます。ちょっと実施時期等の関係で6月広報となりましたけども、広報蕨で特集記事を組みまして、その中でこの応援金の情報を発信させていただいているということが1つ。
 あと、関係団体でございます蕨商工会議所にご協力をいただきまして、窓口でのご案内でありますとか、また、にぎわいまちづくり連合会にもご協力いただいて、そちらからの情報発信、さらには商店会を通じた会員の皆様へのご案内でありますとか、一部町会掲示板にポスターを張るなどしての情報を発出したということで、なるべく幅広く情報が伝わるように努めたところでございます。

多文化共生社会における居住支援の取り組みについて

◆1番(武下涼議員) 引き続き知れ渡るような形でご努力をお願いしたいと思います。
 最後に、多文化共生のところについてまとめてお聞きいたします。市民の方で、外国人の方と共生の観点で一生懸命取り組みされている方もいらっしゃいます。
 国土交通省のホームページにおいて外国人の入居円滑化ガイドラインの活用が呼びかけられているですとか、新宿区のスタートブックの取り組みなどもありますので、ぜひそのあたりのことでご見解を伺えればと思います。

◎市民生活部長  まず外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドラインについてでございますが、こちらは国土交通省のほうからやはり内容が民間の賃貸住宅の入居にかかわることということでございますので、埼玉県宅地建物取引業協会の蕨で言いますと南彩支部を通しまして、直接その外国住民の方に周知がなされているということで、そういう対応を担ってございます。
 本市といたしましても賃貸住宅における相談などを外国住民の方から受けた際には、こうしたガイドライン等に基づいた対応をご説明するなどして、そういった形で適切に対応してまいりたいと考えております。
 また、ご案内にございました新宿区の生活スタートブックといったものでございますが、確かに立派な内容で、私ども拝見させていただいておりますが、先ほど言いましたように、蕨としてもなるべくわかりやすい形での情報提供というのに努めておりますけれども、まずはこうした必要となる情報提供のあり方についてはご提案いただいた他団体の動向等も参考としながら、引き続き調査・研究してまいりたいと考えております。