【2022年6月議会】地域防犯・防災への支援と発展、人々の幸せを支援する図書館の役割について

1 発言通告

1 犯罪のないまちづくりのために 地域防犯活動への支援と発展に向けて

(1)埼玉県内と本市内において発生した犯罪の傾向と特徴はどのようか
①一般の犯罪
②家庭内の犯罪
③サイバー犯罪
(2)本市における犯罪予防に向けた取り組みの成果と課題について
(3)地域防犯の取り組みの発展のために
①本市でも埼玉県防犯サポーターに登録している方がいるが、あらためて県防犯サポーターとの連携や市民への広報を強めてはどうか
②本市も推奨している「ながら防犯」の一例として、飼い犬の散歩を兼ねて行う「わんわんパトロール」について、活動支援として防犯講習会を開き、他市でも取り入れている専門家を招いた「正しい犬のしつけ」をセットで開催する工夫を取り入れてはどうか
③市内学生と協働した学生防犯ボランティアの模索、また、ボランティア証明書を発行できる仕組みを取り入れていく考えはどうか
④本市防犯活動マニュアルを作成し、また、インターネットトラブルやサイバー犯罪被害防止の啓発資料を盛り込むなど、防犯に対する知識習得の機会を拡充していく考えはないか

2 地域防災・防火意識を高めるために 市民がより適切に行動できる知識の習得や、訓練できる機会の確保について

(1)地域火災に遭遇した市民がより適切な行動選択ができるような地域火災への備えとして、本市地域火災対応ガイドブックを作成する考えはないか
(2)災害が発生したときの行動や、災害に備えて準備できることをまとめ、適切な行動選択ができるよう、防災知識や心構えなどを再点検できる一つの機会の確保として、本市防災ガイドブックを作成する考えはないか
(3)応急手当の普及啓発の促進とともに、講習機会の拡充をどのように考えているのか。本市上級救命講習の年1回開催の考えはどのようか。また、一般向けの講習会を開催している自治体がある。応急手当の習得・向上の機会確保の観点から、市民への情報提供を積極的に行っていただきたいが、どのような考えか

3 市民の「知る権利」を保障し、学習を支えることで人々の幸せを支援する図書館の役割について

(1)本市図書館は県内図書館と比較した際にどのような違いがあるのか
(2)県立を含めた県内図書館と国立国会図書館と本市図書館の連携状況についてはどのようか
(3)図書館をより活用するための市民への情報提供と活用状況はどのようか
(4)特色ある図書館づくりが大切だと考えるが、収集・選書において、図書館の規模によって、蔵書数の制約を受ける以上、他市より子育て関連・絵本・児童書を充実させることや、学生・学院生向けに専門・研究書を充実させるといったことも特色のある図書館の一例だが、本市の考えはどのようか

2 登壇しての一般質問

◆1番(武下涼議員) おはようございます。日本共産党蕨市議団の武下 涼です。
 今議会においての私の一般質問のテーマは、地域防犯と地域防災、関連して防火に関して、最後に、図書館の大きく3点です。
 今回の一般質問のテーマを決めるに当たって幾つかの体験による学びや、4月に発生しました北町地域での夜の火災に遭遇した経験などが大きく影響しています。
 私が以前働いていた職場でも避難訓練や救命講習、AEDの操作方法など、学ぶ機会はありましたが、昨年の11月に蕨市消防本部で普通救命講習を受講し、救命技能について認定をいただきました。とりわけ消防本部の指導救命士の指導は、心に深く刻まれるような講習で、現場で救急業務に当たる職員の思いが熱く伝わってきました。それ以降、私も簡易な応急手当てセットを持ち歩くようになりました。
 それから今年に入ってからは、防災士研修講座を受講し、その後、試験を受けまして、防災士として認証していただきました。
 講座の講師の方は、気象予報士の資格を持つキャスターの方、災害・防災に関する学問を大学で教え、学生とともに復興し始めた被災地でのフィールドワークを重視する教授の方々、災害・防災関連の研究所に勤める元自治体職員の方、そして、防災士研修センターの職員であり、防災士の方で、経験を積まれ、各方面でご活躍されている講師の皆さんの講義内容は、非常に実践的な内容でありました。
 また、会場には私と同世代か、もしくはもっと若い世代の方の参加も多く、女性の参加も非常に多かったという印象です。それだけ災害・防災についての関心が高まり続けていることに改めて実感をいたしました。
 こうした若い世代の方が町会や地域の自主防災会に加入していただけたら、活動はさらに活発になっていくものと期待しておりますし、加入してもらえるような多方面からの取組が大切になってきていると実感しております。
 それから、コロナ禍という状況で市民活動に影響が出ていることは周知の事実ですが、改めて実感する機会として、町会の回覧板で、会員の高齢化により、今後の継続的な活動が危うい状況ということで、防犯パトロール隊員の募集のお知らせが回ってきました。以前から埼玉県の防犯サポーターに登録し、個人でできるながら防犯を行っていたのですが、この機会にと申込みました。
 地域の方々とパトロールを行う中で、町会内に設置された消火器の点検や、こういうブロック塀が危ないなど、防犯パトロールは、防災巡視の役割も兼ねていることを実感し、防犯や防災は地域の皆さんの担うところが本当に大きい。それゆえ担い手をどのようにつなぐかの取組が重要になってきていると、これも実感をいたしました。
 以上の所感、問題意識を述べまして、通告に従い、以下、質問いたします。
 1点目の犯罪のないまちづくりのために、地域防災活動への支援と発展に向けて。
 (1)埼玉県内と本市内において発生した犯罪の傾向と特徴はどのようか。
 ①一般の犯罪。
 ②家庭内の犯罪。
 ③サイバー犯罪。
 (2)本市における犯罪予防に向けた取組の成果と課題について。
 これにつきましては、自主防犯活動の成果も大変大きいと思います。ぜひそのあたりも触れていただけたらと思います。
 (3)地域防犯の取組の発展のために。
 ①本市でも埼玉県防犯サポーターに登録している方がいるが、改めて県防犯サポーターとの連携や市民への広報を強めてはどうか。
 ②本市も推奨している「ながら防犯」の一例として、飼い犬の散歩を兼ねて行う「わんわんパトロール」について、活動支援として防犯講習会を開き、他市でも取り入れている専門家を招いた「正しい犬のしつけ」をセットで開催する工夫を取り入れてはどうか。
 ③市内学生と協働した学生防犯ボランティアの模索、また、ボランティア証明書を発行できる仕組みを取り入れていく考えはどうか。
 ④本市防犯活動マニュアルを作成し、また、インターネットトラブルやサイバー犯罪被害防止の啓発資料を盛り込むなど、防犯に対する知識習得の機会を拡充していく考えはないか。
 次の2点目、地域防災・防火意識を高めるために、市民がより適切に行動できる知識の習得や訓練できる機会の確保について。
 (1)地域火災に遭遇した市民がより適切な行動選択ができるような地域火災への備えとして、本市地域火災対応ガイドブックを作成する考えはないか。
 (2)災害が発生したときの行動や、災害に備えて準備できることをまとめ、適切な行動選択ができるよう、防災知識や心構えなど、再点検できる1つの機会の確保として本市防災ガイドブックを作成する考えはないか。
 (3)応急手当の普及啓発の促進とともに、講習機会の拡充をどのように考えているのか。本市上級救命講習の年1回開催の考えはどのようか。また、一般向けの講習会を開催している自治体がある。応急手当ての習得・向上の機会確保の観点から、市民への情報提供を積極的に行っていただきたいが、どのような考えか。
 次の3点目、市民の知る権利を保障し、学習を支えることで人々の幸せを支援する図書館の役割について。
 (1)本市図書館は、県内図書館と比較した際にどのような違いがあるのか。
 (2)県立を含めた県内図書館と国立国会図書館と本市立図書館の連携状況についてはどのようか。
 (3)図書館をより活用するための市民への情報提供と活用状況はどのようか。
 (4)特色ある図書館づくりが大切だと考えるが、収集・選書において図書館の規模によって蔵書数の制約を受ける以上、他市より子育て関連、絵本、児童書を充実させることや、学生・学院生向けに専門・研究書を充実させるといったことも特色のある図書館の一例だが、本市の考えはどのようか。
 以上で、登壇しての質問を終わります。
    〔市民生活部長 登壇〕

【答弁】 市民生活部長

◎ 市民生活部長  おはようございます。私からは、市民生活部所管のご質問にご答弁申し上げます。
 初めに1番目、犯罪のないまちづくりのために、地域防犯活動への支援と発展に向けての1点目、埼玉県内と本市内において発生した犯罪の傾向と特徴はどのようかについてでありますが、埼玉県及び本市の犯罪の傾向といたしましては、防犯対策の着実な推進などにより、いずれも刑法犯認知件数は減少傾向にあり、ピーク時であった平成10年代中盤と令和3年を比較すると、埼玉県は77.9%の減少、本市においては県を上回る82.4%の減少となっております。
 また、犯罪の特徴といたしましては、令和3年においては、埼玉県と本市のいずれも自転車盗が最も高い割合を示しているほか、特殊詐欺では、認知件数、被害金額は減少しているものの、巧妙化した新たな手口による被害が発生している状況となっております。
 また、ドメスティック・バイオレンスや高齢者及び児童への虐待といった家庭内の犯罪、また、不正アクセスやコンピュータ・ネットワークを利用した犯罪であるサイバー犯罪につきましては、埼玉県警が公表した県内全体の数字では、近年、ドメスティック・バイオレンスに関する相談受理件数は微増傾向、検挙件数は横ばいにあり、サイバー犯罪関連の相談受理件数及び検挙件数は増加傾向となっております。
 なお、いずれの犯罪も蕨市内の傾向と特徴については公表されておりません。
 次に、2点目の本市における犯罪予防に向けた取組の成果と課題についてでありますが、市内における各種防犯対策といたしましては、各町会や各種団体など、地域の皆さんによる防犯パトロールをはじめ、街なか防犯カメラの設置や防犯灯のLED化による犯罪の起こりにくい環境づくり、自転車盗対策として年末に駅東西口における駐輪、防犯の巡回指導を行う自転車盗難等防犯対策委託、市民に自転車の二重ロックを推奨するワイヤーロックの配布、また、特殊詐欺被害防止につながる通話録音機能つき電話機購入費補助事業を実施するなど、犯罪を未然に防ぐ各種対策を講じてまいりました。
 その結果、令和3年中の市内における刑法犯認知件数は、前年比マイナス157件の535件となり、ピーク時の平成15年の3,046件と比べ、件数は2割以下となり、犯罪率は県内ワースト5位以内を脱却することとなりました。
 このように刑法犯認知件数は減少傾向にありますが、依然として自転車盗が3割を占めている状況でありますので、引き続き市民への自転車の二重ロック推奨の啓発活動をはじめ、人が通ると音声が鍵かけを呼びかけるボイスセンサー機器を市営駐輪場に設置するなど、自転車盗への対策を行うほか、特殊詐欺被害防止につながる各種取組を進め、刑法犯認知件数のさらなる減少のため、防犯対策に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に3点目、地域防犯の取組の発展のためにの①埼玉県防犯サポーターとの連携や市民への広報についてでありますが、埼玉県防犯サポーターは、ランニングやウォーキングなど、運動習慣のある方が県に登録し、提供されたLEDつき防犯ウエストバッグを身につけ、運動しながら防犯活動をしていただく取組で、自分の好きな時間帯に気軽に活動できる点が特徴となっております。
 こうした取組は、地域の防犯力強化の一助になるものと認識しており、今後、県と情報共有し、制度の周知を図ってまいりたいと考えております。
 次に、②「わんわんパトロール」に関する講習会についてでありますが、飼い犬の散歩を兼ねて活動を行う「わんわんパトロール」は、先ほどの県防犯サポーターと同様に、日常生活の中で無理なく活動ができる取組の1つと認識しております。
 ご提案の防犯講習会と犬のしつけ方に関する講習会を同時に開催することにつきましては、犬という共通点はあるものの、飼い主の意識の違いも想定されることから、まずは飼い主に対して「わんわんパトロール」の活動について周知を図ってまいりたいと考えております。
 次に、③学生防犯ボランティアの模索とボランティア証明書の発行についてでありますが、学生防犯ボランティアの他市の事例におきましては、地元の大学や高校と連携し、駅、または小・中学校などの周辺を巡回する見守り活動のほか、街頭キャンペーンの参加といった取組があり、地域にとっては、新たな人材の確保や若い力による活動の活性化といった利点があり、一方、学生にとっては、人脈や視野が広がるといった利点があるものと認識しております。
 また、活動に参加していただいた方へのボランティア証明書の発行につきましては、活動に参加する動機づけの1つになるものと認識しておりますが、まずは学生防犯ボランティアの活動について他市の事例等を参考にしながら、今後、調査・研究をしてまいりたいと考えております。
 次に、④防犯活動マニュアルを作成し、防犯に対する知識習得の機会を拡充していく考えについてでありますが、本市といたしましては、これまでも蕨警察署の協力のもと、生涯学習まちづくり出前講座の中で、子どもたち向けの防犯講座、また、大人向けの防犯講座を実施するなど、防犯の知識習得の機会を設けてまいりましたが、今後も蕨警察署との連携を密にするとともに、埼玉県警が作成した防犯パトロールのマニュアルなどを活用し、町会や各種団体等の協力を得ながら、地域の防犯力向上に努めてまいります。
 次に2番目、市民が防災意識を高めるための知識の習得や訓練をできる機会の確保についての2点目、防災ガイドブックの作成についてでありますが、本市では、災害が発生したときの被害想定や指定避難所の情報などを記載した地震、洪水、内水の3種類のハザードマップを作成しております。
 それぞれ防災情報の入手方法、避難時の行動、災害への備えといった災害に向けて役に立つ情報を掲載しており、ハザードマップ1枚で災害ごとの基本的な知識を得られる内容となっております。
 そのうち洪水ハザードマップについては、本年3月に改定し、水害時に取るべき行動を各家庭であらかじめ決めておくマイ・タイムラインの情報を新たに追加し、市内全世帯に配布いたしました。
 また、今月1日には、荒川氾濫時の避難行動判定フローを同様に全戸配布するなど、市民の防災に関する知識の習得や意識の高揚に努めているところでございます。
 近年、災害に関する情報については、ハザードマップなどの情報をまとめた冊子形式の啓発資料を作成している事例もございますことから、議員ご提案の防災ガイドブックも含め、引き続き市民への周知方法を研究してまいりたいと考えております。
    〔消防長 登壇〕

【答弁】消防長

◎ 消防長  おはようございます。私からは、消防本部所管のご質問に順次ご答弁申し上げます。
 2番目の地域防災・防火意識を高めるために、市民がより適切に行動できる知識の習得や訓練できる機会の確保についての1点目、本市地域火災対応ガイドブックを作成する考えについてですが、消防本部では、自主防災会が主催する防災訓練や共同住宅、事業所などで実施する消防訓練等、消防職員が市民に直接指導できる機会において119番の通報要領や避難方法、消火器等の使用方法などを指導しております。
 また、春季・秋季火災予防運動期間中には、各町会に火災予防の冊子を配布する等、防火意識の向上に努めてまいりました。
 地域火災対応ブックの作成についてですが、現在は考えておりませんが、火災等発生時における市民の対応については、ホームページにて消防活動におけるご理解、ご協力のお願いを周知しており、また、火災現場における現場指揮本部から市民への広報活動をより分かりやすく充実させ、災害時に市民がより適切に行動選択ができるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、3点目の応急手当の普及啓発の促進及び講習機会の拡充についてですが、消防本部では、AEDの操作方法を含めた応急手当の普及啓発促進の取組として、月2回の普通救命講習や小学5年生を対象とした救命入門コースを主に実施してまいりました。
 近年は、新型コロナウイルス感染症の影響から実施できない時期もございましたが、普通救命講習については、土日開催を取り入れ、また、職員が直接出向する出前講座と併せて団体による受講希望があった場合には随時対応するなど、今後、講習機会の拡充に努めてまいりたいと考えております。
 上級救命講習につきましては、年に1回の開催としておりますが、今後も実施時期や実施回数など、市民のニーズに沿った対応をしてまいりたいと考えております。
 市民への情報提供につきましては、これまで蕨市総合防災演習やわらび健康まつり等、各種イベントのほか、ホームページや広報紙、ケーブルテレビを通じ行ってまいりましたが、今後も機会を捉え、積極的に情報提供をしてまいりたいと考えております。
    〔教育部長 登壇〕

【答弁】教育部長

◎ 教育部長  おはようございます。私からは、3番目、人々の幸せを支援する図書館の役割についてのご質問に順次ご答弁申し上げます。
 初めに1点目、本市図書館と県内図書館との違いについてでありますが、本市の図書館は、蔵書の約39%が児童書となっていることが大きな特徴であり、近隣市では、さいたま市が約31%、川口市が約24%、戸田市が約30%であることと比較すると、児童書に力を入れていることが県内他市図書館との違いであると考えております。
 次に2点目、県内図書館や国立国会図書館との連携状況についてでありますが、本市で所蔵していない資料を県立図書館や県内他市町村の図書館から借受けて利用者に提供する相互貸借を行っているほか、県内にない図書については、国立国会図書館から取り寄せて利用者が閲覧できるようにするなどの連携を図っております。
 次に3点目、市民への情報提供と活用状況についてでありますが、毎月、「新着図書あんない」を発行し、図書館や公民館で配布しているほか、図書館ウェブサイトのトップページに新着図書を紹介することで、常に新しい資料を取り入れていることを周知し、利用者の活用につながるよう努めております。
 また、活用状況につきましては、令和3年度も前年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症に係る対策を講じながらの開館ではありましたが、年間貸出し件数は38万1,693件となり、2年度の27万9,765件に比べて約36%の増となっております。
 次に4点目、特色ある図書館づくりについてでありますが、本市の特徴である児童書の充実を継続していくとともに、乳幼児、小学生、中学生の成長段階ごとのおすすめ図書リストを作成・配布しているほか、蕨高校の図書委員による中高生向けおすすめ本コーナーの設置や中高生向けライトノベルコーナーの拡充など、子どもの読書離れに対応するため、乳幼児から青少年までの読書活動を積極的に推進する等、特色ある図書館づくりに努めております。
 以上でございます。

3 再質問

地域の防犯活動、わんわんパトロール

◆1番(武下涼議員) ご答弁いただきました。ありがとうございます。
 通告どおり順次再質問をさせていただきます。
 まず地域防犯活動についてなんですが、ちょっと繰り返しにもなるかもしれませんが、幾つかの状況と、あと事例を紹介しながら問題意識を共有させていただきたいのと具体的な再質に入っていきたいと思います。
 まず登壇でもご紹介ありました埼玉県の防犯サポーター事業の経緯なんですけど、県の職員から伺いました。市町村から防犯パトロール隊の高齢化といった課題だったりとか、担い手不足解消のためにそういった機会を創出するということ、また、それに代わるような取組として、個人でも無理がなくできるような防犯サポーター事業を始めたというのが経緯でありました。
 次に、ながら防犯の一例として「わんわんパトロール」の講習会、私が参考にしたのは、ふじみ野市というところであります。
 それから、自主防犯活動マニュアル、これを作成したのは埼玉県富士見市でありまして、こちらはもともと地域防犯活動に必要な知識の習得だったりとか、地域の自主防犯活動団体との交流ですとか、地域活動デビューの機会の創出を目的として自主防犯活動リーダー講習を行ってきたという経過がありまして、ただ、例年行ってきた講習会がコロナの影響で中止となったため、代替手段としてマニュアルを作成したということでございました。
 ご紹介させていただいたように、地域防犯についてなんですが、何といってもやっぱり市民の防犯ボランティアによるところが大きいという特徴がございます。
 ただ、1つの例として紹介をいたしました防犯パトロール隊の地域の例なんですけども、組織はあっても、実際に稼働できる方が少なくなるということも考えられます。
 改めて本市としての地域防犯組織、地域防犯でパトロールされている方の活動や悩み、課題、どのように把握されているのか、まず最初にお尋ねしたいと思います。

◎ 市民生活部長  地域防犯の地域ごとの悩み、課題といったところのご質問でございますが、今、議員ご指摘のとおり、やはり高齢化、これは防犯組織というよりは、ベースとなります町会の高齢化、こういったものに引きずられているものなのかなというふうな実感はしております。
 今、防犯活動というのは、町会の中の例えば防犯部であったりとか、あとは有志の方々で組織される防犯パトロールという形で活動させていただいておりますので、その町会ベースというところでお答えをさせていただくんですけども、今現在、その町会のほうもその担い手不足を解決するために、町会長連絡協議会、また私ども市役所の安全安心推進課のほうで共に協力をし合いまして、今年、またパンフレットを新たに作らせていただきました。このパンフレットの中に、当然、町会としてのお祭りであったりとか、こういったものへの参加を呼びかけるような内容であったり、また一方で、防犯、また、防災に関する様々な取組に参加を一緒にしていこうではないかということで、これ外国語版も含めたチラシのほうを作成していただきました。作成は私どももしました。こういったものを通じて、後継者の募集、確保というのが一番の課題なのではないかなというふうには考えております。

◆1番(武下涼議員) ありがとうございました。同じ課題意識だと思います。引き続き行政のほうでは、やっぱり地域ボランティアに支えられている部分があるということで、積極的な活動の広報など行っていただきたいなと思います。
 埼玉県のほうでも自主防犯パトロールの活動取組紹介という県のホームページでも紹介していますし、また、市のほうでも紹介をされているということで、そのあたりも細やかな対応で、ほかの町会のほうでもそういった活動をされているんだということを周知を強めていただきたいと思います。こちらは要望です。
 次に、正しい犬のしつけをセットにしたながら防犯の講習会のお話に移りたいと思います。
 問題意識としては、もちろん防犯という観点もあるんですが、もう1つは、飼い主のマナーの向上という観点も実は持っております。
 ペット、犬を飼わない方とペット、犬を飼う方との間で、蕨市のほうでも「蕨市さわやか環境条例」が制定されていまして、飼い主のふん害の防止ということで定められておりまして、こうしたふん害というようなマナーの課題があるというところで、もちろんマナーに気をつけている飼い主の方もいらっしゃると。この正しい犬のしつけセットの提案というのは、地域の良好な関係性を向上するきっかけとしても「わんわんパトロール」というところで前向きに検討していただきたいなということで、今回一般質問で取上げました。
 また、こうした講習機会を通じて、もう1つこれは思惑としてあるんですが、これは次の質問と重なってくることでもございますが、ペットのための防災対策を考える機会ですとか、ペット防災のリーダーの創出といったことも併せて企画できるのではないかなというふうな問題意識を持っております。少し改めてそのあたりの認識、小柴部長のほうから伺えたらと思います。

◎ 市民生活部長  今、犬の関係、「わんわんパトロール」という部分と清掃、環境美化という部分の、一見結びつかないようなご提案と思われることもあるかもしれないんですが、実は、私どものほうで作成しておりますパトロールのマニュアルにおいても自主パトロールのポイントということで、ごみの不法投棄場所などの清掃ということで、やはり汚れたまちは犯罪も多いんではないかということで、そういったものを防ぐためにこういった清掃活動というのも併せてやっていこうということで、自主防犯パトロールの着眼点においてもこういったものを発見したときには、地域で早めに措置をしましょうというような記載をさせていただいておりますので、こちらにつきましてはまた地元のほうにも改めて周知をさせていただいて、同様の取組をしていただくよう周知してまいりたいと考えております。
 また、ペット防災への意識ということでございますが、今、ペットは家族の一員ということで、台風のとき避難所にも前回、多数お越しをいただいたところでございます。そういった家族の一員たるという意識を持ちながら、ペットの避難に対しましての市としての対応というのは引き続き検討してまいりたいと考えております。

◆1番(武下涼議員) ありがとうございます。いずれにしても、ある機会をセットにして取組の相乗効果が出るような形でお願いしたいと思います。
 また、学生ボランティアにつきましては、これはまだ実施できているところが少ないというところも事例としては多いので、ぜひ模索をしていただきたいなということですとか、地域の防犯も含め、防災もそうですが、地域によって支えられているという部分を多くの人が知る機会を自治体のほうで創出していただきたいということで、これを重ねてお願いしたいと思います。
 それから、防犯のサイバー関係でご答弁いただきました。その関連という形で、要望等、また状況等を伺いたいんですが、今、本市でもデジタルディバイド対策として、スマートフォンの教室を開催していると。そして、かなり好評を得ているというようなお話も伺っております。
 とはいえ、一方でスマートフォンを利用することによって出てくるリスク、メリットもあれば、デメリットももちろん出てくるというところで、その中でスマートフォンのリスク、とにかくネットを接続することのリスクというのも使う側としては把握しなければならないという、そういったところでも防犯意識として大事なんだと思うんですが、そういった防犯の観点から諸注意などの啓発が必要だと考えております。
 そうした教室を開く際に、空間づくりです。たとえ講義で触れられなくても、こういったリスクがあるので注意してくださいねというような空間づくり、パンフレットを置いたりとかの工夫をしていただきたいというふうに思っておるんですが、現状どういうふうな形なのか、お聞きしたいと思います。

◎ 市民生活部長  スマートフォン等々に関わる犯罪への防止というような観点かと思います。昨日、鈴木議員さんのほうでも、思いがけずスマートフォンの部分、ご質問いただいたときにもちょっとお答えをさせていただいたんですが、特に今回のというところでお話しさせていただきますと、初心者中の初心者を対象としているスマートフォン教室ということでありまして、意欲を持ってスマートフォンに取り組もうという方に余りマイナス要素ばかりを入れていくのもなという担当課としての考えはございます。
 ただ、今、議員さんおっしゃられたように、スマートフォンに対するレベルといいますか、操作の手慣れた状況に応じてそういった判断に対する抑止情報というのは段階を踏まえて、今後も入れていきたいなと思っております。

防災・防火意識、応急手当訓練の機会拡充について

◆1番(武下涼議員) ぜひそのような対応を取っていただけたらと思います。
 今回いろいろと提案をさせていただきました。なかなか実施に向けて難しいということも一方では理解するところでもございます。
 とはいえ、市民の命だったり財産を守るという観点で、ぜひ積極的な対応をいただきたいということを要望して、この防犯については終了させていただきます。
 続きまして、防災、防火意識やそのほか応急手当の訓練に関しての質問に移らせていただきます。
 少しご紹介をさせていただきながら再質に移りたいと思います。
 まず消防本部所管の救命講習についてということで、私が指導を受けたのは、木村指導救命士という方から指導を受けました。これは消防本部のホームページでも紹介されておるんですけども、専門雑誌「近代消防」で「救急現場ノートの作り方~作成のススメ~」、そういったタイトルで連載をされた方でありました。非常に私ここの蕨市消防本部の講習を受ける前に、まず総務省消防庁で出している動画による事前学習を受けてきたんですけども、それよりも本当に実践を踏まえていて分かりやすくて、また、現場の思いがかなり反映した講習会でした。そういった状況だということがホームページ上ではなかなか伝わらないということもあり、そのあたりは消防署としても積極的に発信をしていただきたいなというふうに要望いたします。
 課題意識としてございまして、基本的に県内のどの市町村でも、市内在学、在勤、居住を受講の対象者としております。
 一方で、川口市などは、もちろんそういう対象条件もあるんですけども、上級救命講習が月1回ということで、コンスタントに開催をされているということでした。
 ただ、戸田市においては蕨市と同様に、年1回ということでした。
 ところが、東京都の、これは多分県単位、都単位の行政の方法が違うということもあるんですけども、東京都のほうは運用で、都内の要件、都内居住とかそういった要件を緩和していて、俗にいう一般の方も受けられる機会を設けているということでございました。
 ただ、やはり一般を対象にするということで、テキスト代なども含めて有料という課題もあるんですけども、とはいえ、この応急救命の技術というのは、誰かの命を守ったりだとか、身近な命を守ったりですとか、災害に対してとても有効な技術だというふうには認識しておりますので、改めてそういった情報発信、こういったような取組があるよというのを可能な範囲でぜひ発信していただきたいと、これも要望でございます。
 救命のほう、ちょっと変わりまして、地域火災対応ガイドブックというふうに名前はつけたんですけども、先ほど登壇でご紹介あったように、ホームページのほう、消火活動へのご協力ということで更新をしていただいた、対応していただいたということでございました。
 それに加えて、今回、議長のお許しを得まして、パネルを提示させていただきたいと思います。先日の北町の夜の火災というのがあって、そのときの現場、私も消防委員ということで、少し遠く離れたところから現場を見させていただきました。そうすると、夜ということもございまして、やっぱり不安になる市民の方もたくさんおられたということですとか、夜ということで、ここに実は市民の皆さんも火災が発生してから消防隊の仕事というのはなかなかイメージのしづらいところもございます。消火活動だけではなくて、周りの安全確保をどうしていくのか。こういったようなイメージ図を持ちまして、(2)の火災発生119番通報を受けて消防隊の出動と。放水ポンプ車の出動、人名検索と初期消火、火災現場は危険、消防隊の広報や誘導の指示に従ってという見出しで、この写真は、著作権フリーのところから引用させていただきまして、これはお昼なんですけども、火災の現場付近は路面にホースが引かれて、写真のような状況でありますと、消火活動の実際の妨げになってしまったりだとか、ホースにつまずいてけがをする可能性もあって、夜ならなおさらということでして、4月の北町の火災、相当多くの消防車、ポンプ車が集結したと。消防団員の方も相当駆けつけていただいたということで、現場はかなり騒々しいような状況だったと思います。
 なので、改めてこういう心構えですとか、心積もりが持てるような観点で、市民の方に消防活動の流れだとか、市民が注意すべきことをぜひ啓発していただきたいと思います。これも併せて要望です。実際にホームページのほうでは踏み込んでいただいたというところがありますので、ぜひよろしくお願いします。
 また、関連して、消防団員のほうで非常に今、重要視しているのがプライバシーの保護というお話がございます。プライバシーの保護というのも近年、SNSだったり、誰もがスマホを持ち、カメラを撮れるというような状況で、火災現場を写真に撮ってSNSに上げてしまうだとか、実際に傷病者の方の写真を撮ってしまう方もいる中で、消防のほうではプライバシーガードの幕を張ったりとか、そういった観点かなり気を使われながらやっているかと思います。
 また、消火活動が終わってほっとしたような顔を1枚撮られて、消防隊員が笑っているといったような、そういう悪意のあるような投稿で非常に炎上したケースもございました。
 そういう中で、非常に緊張感を持ちながら市民のための消火活動を行っているということで、こういった火災現場においての倫理観というのも市民にとってはとても大事な学びの場ではないかと思いますので、そのあたりも含めて市民の方に伝わるように、消防隊はどういうふうに仕事をしているのかというところも併せて今後の広報に取り組んでいただきたいなと思います。これも要望です。ぜひ積極的な市民への広報をお願いしたいと思います。
 続きまして、防災ガイドブックについて移っていきたいと思います。こちらも、議長の許しを得まして提示をさせていただきます。
 今回、イメージを共有するためにこういったような形で作らせていただきました。
 ただ、イメージ資料を作成する上で参照した資料をまずご紹介したいんですが、さいたま市の防災ガイドブックでありますとか、あと本市が作成をしました蕨市の地域防災計画、赤い冊子のです。また、本市のホームページに記載された情報、あとは東京都北区の避難行動要支援者名簿の手引というものもございまして、そういったものを参照して作らせていただきました。ただ、さいたま市も防災ガイドブック、私が作成したよりも業者が入っているということもありまして、このイメージ資料よりもきれいですし、ボリュームもあると。あくまで私がどういうことを想定しているのかというイメージ共有ということでご理解いただけたらと思います。
 その上で、目次として立ててみましたのが災害情報の確認と。これは蕨市でどういう情報システムを敷かれているのかということ。また、防災の取組として蕨市の取組というのはどうなっているのか。蕨市では3つハザードマップを作成しているということで、これのことについて。あとは蕨市の自主防犯活動の取組と、あと自主防災会ということで少しまとめてみました。
 いずれにしても災害情報ですとか、防災関連というのは、言葉もなかなかなじみにくいものもございますし、かといって、今、国土交通省でもマイ・タイムラインとか開発をされましたけども、市民にとってはなかなかなじみのない言葉であったりとか、一体どういうツールが手元にあるのか、そういう把握の助けになればというふうなことで、こういうまとめをしたわけでございます。
 蕨市の災害情報システムというのは、先ほど登壇でもご紹介あったかと思いますが、防災行政無線の取組をされております。その中では電話・ファクスの配信サービスが関連するサービスがあったりとか、メール配信サービスがあったりとか、電話サービスがあったりとか、こういったところで、ただライフスタイルに応じて選択していただく必要はあるのかなと。そういうのが一覧で分かるようなガイドブックをぜひ作成・検討していただきたいなということで、こういう形でお示しをさせていただきました。
 次に、防災の取組ということで、蕨市民が実際防災対策をする上で、市との関係ではどうなのかというお話もあります。
 1つは、蕨市で定められている避難行動要支援者避難支援制度という仕組みがございます。もう1つ、災害とは近接、近いものではあるんですが、火災に割と特化しているであろうというのが蕨市避難困難者の方の情報提供カードというような仕組みがございます。これについては、後ほど再質問をさせていただくんですが、取りあえず今は共有という形で紹介させていただきます。
 こういった避難支援の仕組みがあるよということ、また、こういった3つのハザードマップをまとめてみることによって、当てはめた文字は、ガイドブックに示されている概要を載せさせていただきました。こうやって並べると、本市がどこに注意を向けているのかというと、やはり内水の被害について、分量が多く割かれているということもありまして、地域的な特徴もあるんですが、こういうふうに見ていくと、把握がやはりしやすくなるんではないかというところで、こういった防災アイテムへのガイドといいますか、案内というのを作っていただけたらということもございます。
 また、本市のホームページに自主防災会というところの項目、ページというのが実はなくて、よく資料を見れば出てくるということなんですが、ただ、改めて自主防災活動の取組ということで、ページ上にしっかり表れるように表示していただきたいなというふうに思っております。
 主には町会をベースとして、今、自主防災会が結成されているということでありますが、こういった市民の一人一人の活動であるとか、また、市民が防災に備えるためのスキル向上の取組として、ちょっとこちらに書いていますけども、蕨市として行っている取組として、まさに今、募集をされていますが、わらび防災大学校ですとか、あと、救命救急については直接防災というふうに触れていませんが、ただ、いざ災害が起きたときのその有効性というのは非常にあるんだろうなという形でこういうふうにまとめさせていただいたということです。
 主に、一般的には自主防災会の平常時の活動であったりとか、災害時の活動であったりとか、こういうふうに見える化をしていただけると、市民が取るべき行動選択、見えてくるんではないかな、その一助になるんではないかなというふうに思っておりまして、紹介をさせていただきました。
 まとめになりますが、ちょっと長くなりました。いずれにしてもこうしたいろいろ開発された道具、防災対策のための道具を市民が分かりやすく、または一覧で把握できるような、チェックをできるようなガイドは大切なんではないかなと思っておりまして、答弁のほうはいただきました。また、繰り返しになるかもしれませんが、もう一度担当部長の答弁をいただきたいと思います。今のお話を受けて答弁いただけたらと思います。

◎ 市民生活部長  防災ガイドブックの作成ということでご質問いただいたところでございます。
 登壇でもお答えいたしましたとおり、今、近隣市の中では幾つかそういったハザードマップを1つにまとめたような、プラス各住民のほうにお願いをしたい取組であったりとか、各種情報なんかを取りまとめたような、これをガイドブックと呼ぶのかというのはあるんですけども、あることは承知しております。
 例えば洪水のハザードマップであれば3回の改定をさせていただいたりとか、それぞれ3種類のハザードマップの改定時期というのは異なりますわけで、そうしますと、住民の方も、2つはあるけど、1つがないよとか、そういったような何か分離をしてしまったりとか、こういった懸念というのは確かにあるのかなと思います。
 一方で、冊子方式にまとめたときの弊害といたしましてなんですが、これ多岐にわたればわたるほどになるんですけども、どうしても改定が発生したときに、その冊子ごと全改定をしなければいけなくなる。これ実際、お隣の市ではそういった状況で、全ての方にまた配り直さなければいけないといったような、そんな対応もちょっと懸念されるところではあるのかなと。
 今、お示しいただきました資料を見させていただきますと、例えばなんですけども、ホームページ、昨日古川議員のご質問のときにもちょっとお話ししましたが、体系立ててというのがなかなか蕨市のホームページ見づらいんじゃないかというご批判いただきますので、こういったところを整理することで、何かそういったガイドブック、目次的なものとして何か利用できるような、そんな方法も考えてまいりたいと思います。

◆1番(武下涼議員) ありがとうございます。ぜひ市民に伝わりやすい形で行っていただきたいと思います。
 話が若干戻るんですが、先ほど再質をさせていただきたいということで、蕨市民の避難の支援の仕組みということで、改めてお伺いしたいと思います。
 まず消防所管の避難困難者の方の情報提供カードについて、どういう趣旨なのかということと利用状況ですとか、まずお話を伺いたいと思います。

◎ 消防長  避難困難者情報提供カードということでございます。主に、火災や救急活動時に、速やかに救助体制を確立するため、自力で避難が困難な方などを対象として、ご本人、またはご家族等の承諾を得た方を避難困難者情報として消防の指令台のほうに登録させていただいております。
 情報提供をいただくことによりまして、119番を受けて出動する際、指令書というものが出されるんですが、そこにその情報が記載されたり、地図上にポイントが落とされたりするということで、活動が速やかに行えるという救助活動の一助になるということで活用させていただいております。
 利用状況ですが、令和4年6月1日現在、162名の方が登録をされております。

◆1番(武下涼議員) ありがとうございます。
 続いてお伺いしたいのが、蕨市のほうの避難行動要支援者避難支援制度につきましての利用状況ですとか、改めて制度についてお伺いしたいと思います。

◎ 市民生活部長  利用状況ということで、人数的なものをご紹介させていただきますと、直近5年間の申請件数といたしましては、平成29年度が15件新規でいただいております。30年につきましては1件、31年は0件、令和2年度が14件、令和3年につきましては4件ということで、年度ごとのその時点での登録総人数といたしましては、平成30年度が206名、31年が186名、令和2年が170名、令和3年が167名、令和4年が154名と推移しておるところでございます。
 基本的には、当初、一括で登録をする作業をさせていただきまして、あとは年次ごとに、例えば新規で障害だとか、介護だとか取得された方につきましては、各課のほうでご案内をして、希望される方が登録されて、例えば死亡された方であったりとか、あとは施設に入所された方とか、こういったものを除外していくというそういった作業を繰り返しているところでございます。

◆1番(武下涼議員) ありがとうございます。今、制度の説明をいただきまして利用状況のほうも伺いました。
 ここでちょっと疑問になるところなんですが、ホームページ上で見ると、この制度、市民のための避難制度ということなんですが、ホームページを見るとどうしても分かりづらい点があるということで、担当のほうとは問題意識は交わさせていただいたというふうには認識しておりまして、少しこのあたりの制度が分かりやすいような形で整理していただくということですとか、また、その名簿のリンク状況というのがどのようになっているのか。もしリンクされていないようであれば、今後どういうふうにそれを活用していくのかとか、もしその辺ご答弁いただけるのであればいただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

◎ 市民生活部長  まず制度の周知という部分でございます。基本的にはこの対象者となる方と市であったりとか、もしくはあとは実際にお助けをいただく町会の方との関係性ということでの制度になるわけなんですが、やはり一般住民の方にもこういう制度で、こういった弱者の方々が守られているんだ、こういう制度下にあるんだよという部分については、引き続き周知のほう努めてまいりたいと思います。
 また、そのリンクという話、恐らく消防の登録制度と私どもの制度のリンクというお話かと思います。実際には、消防さんのほうでやられている制度というのは、あくまでも一般的な火災、特定地域のある程度のエリアを絞った形での救助ということになろうかと思います。
 一方で、私どものほうにつきましては大規模な地震であったりとか、また、大規模な水害であったりとか、場合によっては市内全域にわたるということで、やはり入れられる支援の人員というのがどうしてもその両方の制度ではちょっと異なるという部分がありますので、その共有できる部分については、内部の話ですので、積極的に活用させていただきたいと思います。

◎ 消防長  議員ご指摘のとおり、両制度に関しましてダブる部分も多少ございます。今、小柴部長がおっしゃったとおり、私どものほうの制度は現場に特化した制度ということで、先ほどお話ししたとおり、指令書のほうにそれが情報として隊員のほうに周知できるというメリットがあるということです。
 しかしながら、先ほどお話があったとおり、ちょっと分かりづらい部分もあろうかと思いますので、何か分かりやすくするような工夫ですかね、そこら辺は今後ちょっと考えてまいりたいと思います。

◆1番(武下涼議員) ありがとうございます。
 少し私のほうで懸念していることで要望させていただきますが、どちらかの名簿に登録して、どちらかの名簿に登録できなかったとか、そういったようなことがないように現場のほうではよく調整をいただきたいというふうにお願い、要望いたします。
 続いて、ここに関連してなんですが、基本的に蕨市のほうの避難支援制度ですが、名簿の登録を行ったとしても、災害時に必ず避難支援、安否確認が行われることを保障するものではないというようなただし書がございます。
 また、避難支援者等関係者に対して、避難支援、安否確認を行う上で、法的な責任や、義務を負うものではないことをご理解くださいということで、これは本市の説明文ではなくて他市の同じような説明文なんですけども、趣旨としてはそういったような注意書きがあります。
 ただ、避難支援における注意点というのはとても大事なことだと思いますが、実際に避難支援に当たる方、計画書の中では自主防災会だったりとか、民生委員の方が対応するというようなことが書かれてありますが、支援者の方、やはり責任を感じながら支援に当たるというのがございます。
 それで、北区のほうで少し情報共有をさせていただきましたが、こうした要支援者名簿の手引というものが発行されておりました。これについては様々な方がいらっしゃるということ、例えば乳幼児の方もいらっしゃったり、妊産婦の方もいらっしゃったり、認知症の方もいらっしゃると。そういうときにどういうことが想定できるのか、どういう支援を行えばいいのかということがまとまった資料がございました。それが手引なんですけども、ちょっとご質問したいのは、こういった手引なるものは、内部のほうで運用していたりするのかどうか。また、こういった手引というのは、一般の市民が見ても有意義な情報が掲載されているということもございますので、ぜひ共有していただきたいというふうにも考えますが、状況等お伺いさせていただけたらと思います。

◎ 市民生活部長  支援いただくサポート側の制度の周知ということでございますが、今現在、私どものほうで何かその冊子といいますか、そういったガイドブック的なものとしてのご用意というのはございません。
 制度導入時に各町会であったり、関係者の皆様には、職員通じて各町会個別にご説明申し上げたところでございますが、やはり制度導入以来、年数のほうもたっておりまして、町会長等々替わっているケースもございますので、こういったところにつきましては、これ昨日来お話しさせていただいておりますが、今後、開催を予定しております避難所運営協議会の中であったりとか、様々な観点で説明のほうは繰り返し行ってまいりたいと考えております。

蕨市立図書館のコロナ禍での対応、新たな図書館に向けて

◆1番(武下涼議員) ありがとうございます。
 事例の紹介ということで、続きになりますが、北区の避難行動要支援者名簿の手引というものがございます。ただ、発行がどこでやっているのかというと、本市でいうと福祉総務課が発行しているようなイメージなんですね。これ自体は各部門の専門家、高齢者担当であったりとか、例えば保健センターの担当者だったりとか集まって、そういった手引をつくったということもありますので、役所にあるそういうノウハウだったり、そういったことをぜひ生かす形で避難所運営に当たっていただきたいということを要望させていただくということと、そういった情報を市民のほうにも共有していただきたいということを重ねて要望いたします。
 以上で、災害関連、防災関連の質問を終わらせていただいて、図書関連の質問に移らせていただきたいと思います。
 まず冒頭でお聞きしたいんですが、コロナ禍において多くの公共図書館が休館をするというようなことがございました。図書館も例外ではなかったんです。
 ただ、本市においては、こういったコロナ禍で図書館の対応であったりとか、役割というのはどういうふうに果たしてきたのか。また、窓口から見た様子だったりとか、市民の反応など、お聞きしていることがあればお伺いしたいと思います。

◎ 教育部長  コロナ禍での図書館での対応ということでのお尋ねですけれども、蕨市の図書館の場合は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、この間、閲覧席の撤去、館内でのマスク着用や手指消毒器の設置、換気の徹底など基本的な対策を実施してきておりました。
 また、令和2年4月27日から5月14日までは、18日間完全休館ということで実施しましたけれども、この期間の前後78日間につきましては、入館を禁止して、予約資料の受渡しのみ、予約本だけは対応したということなんですけれども、これを実施いたしました。
 この取組につきましては、他市の図書館が全く利用できない中で、本市だけは予約本の利用ができたということで大変ご好評をいただいたところでございます。
 現在はマスクの着用、手指消毒、定期的な換気や閲覧席の間引き等、基本的な感染対策を実施しているところでございます。

◆1番(武下涼議員) ありがとうございます。なかなか外出ができないというような状況の中で、図書館が寄り添った1つの大切な事例だと思います。引き続き寄り添っていただく中で図書館行政を充実させていただきたいという観点から、次の質問に移るんですが、図書館に関わる交付金や助成事業の活用状況を伺いたいと思います。

◎ 教育部長  今回のコロナ禍で、実際には地方創生臨時交付金が交付されるということで、今年度電子図書館については、この交付金を活用して実施していきたいというふうに考えております。
 あとこれまで国・県の、特に補助金という形での事業というのは、私のほうでは認識しておりません。

◆1番(武下涼議員) ここで1つの案として聞いていただけたらと思いますが、図書館振興財団という財団がございます。助成事業ということで、主には図書館運営に関する助成、図書館が所有するコレクションの活用や推進であったりとか、市民が調べ、読書活動に対する助成活動、そういった3分野の助成金が交付されるということで、ただ、提案をして採択をされなければ下りてこないということで、2022年度については提案型事業ということで、郷土資料、貴重資料等のデジタル化及び公開事業について募集が行われているということをまずご紹介したいと思います。
 これ自体は地域の方々とも考えた企画が助成の対象になっていまして、例えば墨田区さんもこの事業を活用していて、任意団体なんですね。任意団体の「すみだすみずみほりおこし隊」という団体がございまして、こういった団体が公立公園、公立図書館を活用した事業を事業提案したところ、これも事業の対象ということで交付されると。ある意味この事業は、財団が行っているものでありますが、市民とともに図書館活動を活発にさせる1つのきっかけづくりとして重要なのではないかなと思いますので、ぜひそのあたりを活用していただきたいということを要望させていただきます。
 あと、本市の図書館、とてもコンパクトだけど、本市にとってはとても大きい施設ということで、とても大事な図書館だと思います。
 今、新しい図書館に向けて期待が寄せられていると。一方で、今の図書館が好きであると、今の図書館空間が大好きだという方もいらっしゃいます。児童図書が39%というような特徴もございまして、新しい図書館に向けて今動き始めていますけども、今の図書館が好きだとか、今の空間が大事だとか、そういったことをぜひ次の図書館でも生かしていただきたいというふうな私の思いがございます。
 ここで、市長のほうに図書館行政、新しい図書館に向けて、そしてまた、今の図書館の今しかない空間を大事にしていただきながら、次の図書館に向けての方針をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
    〔頼高英雄市長 登壇〕

◎頼高英雄 市長  図書館については市民の学びを支援していくという非常に重要な、住みよいまちづくりを進めていく上でも重要な施設だというふうに思っています。
 今お話あったように、駅前再開発の中で、今の図書館に替わった新しい新図書館を整備しようと、今、取組を進めさせていただいております。
 今の図書館については、住宅地の一角にあるということもあったり、昭和54年の6月開館ですから、もう45年ぐらいでしょうか。長年にわたって市民に利用されてきたということで、親しみを持ってくれている方もやはりたくさんいらっしゃるんじゃないかというふうに思っております。
 同時に、やはり施設の老朽化が進んでいて、大規模改修には相当なお金がかかったり、長期間閉館が余儀なくされるという状況の中で、今回駅前に移転しようということで決断をして、今、整備を進めさせていただいております。
 新しい図書館の整備に当たっては、蕨の図書館の特色やよさ、これはやっぱり引き継いでいくというのが大事で、もちろん立地が住宅地から駅前になりますから、利用者も恐らく相当増えるでしょうから、今言った雰囲気はもちろん変わるところも出てくるわけなんですけれども、児童書に非常に力を入れている、充実してきているというようなことも含めた蕨のよさというか、特徴というか、そういったものをしっかり引き継いでいくというか、生かしていくことが大事じゃないかなと思っています。
 同時に、駅前という本当に多くの方が利用できる立地に整備をするということで、整備に当たっては、これまでも基本コンセプトを検討したり、市民の皆さんのアンケートで声を聞いたり、先ほども紹介、ワークショップを開催したり、市民の声を生かして整備しようということで取組を進めてきております。
 基本コンセプトについては、公共公益施設の行政センターと図書館ということになるんですけれども、「豊かなときを創る ほっとプレイス」という、これは公表している理念で、これは日常生活とか学びを豊かにするサードプレイス、自宅がファーストプレイス、学校だとか職場がセカンドプレイスとすると、それ以外の学びだとか、あるいはほっと過ごせるような、そういう場所にしていこうじゃないかという理念のもとに今、整備を進めております。
 具体的にはアンケートだとか、ワークショップの中で出された声を生かしていこうということで、これはやはり蔵書を充実してほしいというのはいつでも一番多いわけなんですけども、やはり開館時間を延長してほしいと、駅前であればなおさら通勤の方も含めた利用時間の延長だったり、やはりWi-Fi環境の整備であったり、あるいはカフェなども設置してほしいという声、学習室など拡充してほしいという声がアンケートでも上位にありました。
 ワークショップでも同じような意見が非常に多く出されたのに加えて、ICタグをつけてほしいとかと、今ネットで予約して借りるというスタイルが多いので、そういう自動貸出し機も含めた、貸出ししやすい環境にしてほしいだとか、あとはグループで使えるようなスペースも欲しいねというのはワークショップで出されてきております。そんなことも生かして整備をしていこうということで、例えば児童書も充実をさせつつ、もうちょっと大きな中・高生だとか、大学生などが少しグループで使えるようなスペースも整備しようじゃないかといったことも今、検討していますし、また、自習室、これはやっぱり本を読むということで、パソコンなどの機器が使えないスペースと、あとはインターネットパソコンも使えるようなスペースも拡充していくとか、カフェについても、図書館の本をそのまま持ち込んで利用できるようなカフェも検討しようじゃないかとか、そんなことも含めて今、検討を進めて、いよいよ今年度から着工ということになるわけですけども、そういう点では、蕨のまちがさらに魅力的なまちになる重要な施設として、これからもしっかり取り組みたいと思いますし、これ再開発組合として今工事進めていただいていますので、情報提供のタイミングというのは、それの関係というのはあるんですけれども、その図書館の整備の内容等も含めて、これからも市民には適宜発信をしていきたいなというふうに思っています。

◆1番(武下涼議員) ありがとうございます。
 今の図書館というのは、本当に子どもたちの目線に合わせた書棚ですとか、そういった本当に蕨の図書館らしいような工夫が施されておりました。
 また、自動貸出し機では体験できないような司書の丁寧な対応などもありました。ぜひその辺も次の図書館に向けて大切にしていただきながら事業を進めていただきたいということを最後に要望しまして、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。