ある機関紙の担当の方から「記事を書いてもらえないか」という依頼を受けまして、最近の活動で感じたことなどを書いてほしいという内容で、今回はそこで書いた記事をブログでアップしたいと思います。
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市議会議員としての任期がはじまってから半年以上が経過
市議会議員としての任期がはじまってから半年以上が経過した武下です。
前回のレポートから4カ月が経ち、そこでは9月議会に臨むにあたって、市民の方から寄せられたテーマをもとに、一般質問を行い、その結果についてレポートを書いて、「『ちょっと気になるけど…』をぜひ気軽にお寄せください」と結びました。
今回のレポートでは、12月の議会を経て、2回目となる「議会活動報告会」の経験も交えながら、私が大切にしている「視点」について、お話をしたいと思います。
昨年の市議会議員選挙で、こんな「うわさ」が私の耳に入りました。
蕨市は、第二の夕張市になりかねない
今回の北町住民懇談会でも、この「夕張市」の話しが出されました。
財政健全化法成立のきっかけとなり、そして「財政再生団体」となった唯一の自治体が夕張市です。
夕張市で起きた財政破綻が蕨市でも起きるという「うわさ」は、とても穏やかではありません。住民懇談会では、この「うわさ」の信ぴょう性のなさを財政分析で明らかにすることを試みました。
活動で大切にしている視点
こういう、うわさ、そこから生じた誤解をとくには、「事実」の確認がとても大切で、事実を積み上げていくなかで、真実が見えていきます。私は、保育や医療、自治体などで働く人たちでつくる労働組合の専従職員として働くなかで、使用者と労働者で行う交渉では、「事実」の積み上げが良い結果につながることを学び、この視点を大事にしています。
蕨市は夕張市と同じような財政破綻となるのか?
端的に夕張市の財政破綻の原因は、以下のように言われています。
- 炭鉱の閉山
- リゾート企業の撤退
- 三位一体改革による地方交付税の削減が背景にある
それに加えて、重大化したのは市が赤字隠しの会計操作を行ったことにあります。
自治体の財政が健全かどうか判断する指標が導入~公開の義務づけ
現在は、財政健全化法で、自治体の財政が健全かどうか判断する指標が導入され、また公表することが義務づけられています。そうした資料などをもとに経年比較を行うと、夕張市と蕨市との財政上の違いとともに、夕張市の基幹産業であった炭鉱閉山といった産業構造などの違いもわかり、「蕨市が夕張市になりかねない」と結論付けることが、なかなか難しいことが見えてきます。
政治家が財政批判をする際によく夕張市の例を出す傾向が見受けられますが、財政分析を行うと、実はその批判が極端であったりすることがあります。引き続き、「事実」を積み上げながら、住民生活の向上、地域の発展に力を尽くしていきます。
夕張市と蕨市、夕張市の類似団体の財政健全化判断比率・資金不足比率を比較(平成19年度決算)
以下の表は、 総務省の資料から作成。平成19年(2007年)6月22日に財政健全化法が公布され、平成21年4月に全面施行されました。平成19年度決算に基づく、財政健全化判断比率・資金不足比率を、夕張市と蕨市、そして夕張市の類似団体として勝浦市を並べて比較すると、どれほど夕張市が危機的状況だったなのかがよくわかるかと思います。